・お金をたくさん持っている人はえらいの?
メンタリストDaiGoさんのYouTubeでの発言が炎上した問題で改めて高収入であるということ、お金を持っているということはどういうことなのか?について考えてみたいなと思った!
えっさんも以前、彼のYouTubeを観たことがあるのだが、彼は自分が稼いでいるということをアピールすることで自分の自尊心を保っているのだな〜と思う節があった。
今回の炎上の背景にも高収入であること、稼いでいるということの価値が、あたかも人としての価値に直結するかのような思考があったのかもしれないなぁと感じた。
お金を持っていることや、たくさんの税金を納めているからお金がない人よりも価値が高いなんてことは全くないわけだが、若者に影響力がある人がこうしたお金に対する価値観をもっていること自体は危惧される事象だな〜と思う。
では、そんな価値観が発信されてしまったある日、子どもから突然、無邪気にこんなことを質問されたらどう答えたらいいのかな〜とふとえっさんは思ったのだ。
ねぇねぇ。YouTuberの人がお金をたくさんもっているってえらいことなんだって言ってたよ!!
お金をもっている人は、えらい人なの??
この質問にどう答えるかを考えた時に、えっさん自身が『お金を持つということはどういうことなのか』について思考がクリアではないと曖昧な答えになってしまいそうだな〜と思ったのだ。
・お金があることで享受できることって何?
まず真っ先に浮かぶのは、人よりお金を持っているからといってその人の価値が他の誰かの価値より高いということはないということ。そして、お金があるからと言ってすなわち幸せになれるわけではないということ。
人より愛されるわけでも、信頼できる家族や友人ができるわけでも、尊敬されるわけでもないということ。
以前えっさんが勤めていた会社にオーナー経営者として一時期、数十億の報酬を得ていた同じ年齢の同僚がいたのだが、その同僚がしみじみと言っていたことがえっさんの記憶に残っている。
お金があるとさ、男性も女性もすごい人が寄ってくるわけ。どこからやって来た?というほどにわんさか人に囲まれるのよ。周りは自分のことを褒めてくれて、持ち上げてくれて、言い寄ってくれて。あー、自分はえらい奴なんだって勘違いするわけ。それで、調子に乗って下手こくじゃない。
そしたら、あっという間にこれまで親友だとか恋人だとかって言って自分を取り囲んでいた人がさぁ〜と一気にいなくなるわけよ。ドラマの世界だよ。あれは、ホント人間不信になったね。
もう二度とこんな思いはしたくないと思って自分がお金を持っていても絶対に人には分からないようにしてるんだよね。
本人からは結構リアルなエピソードも聞いたのだが、「それは不信になるわ〜」と思うことばかりだった。
もちろん、同僚も自分がお金を持っていることを当時、周りが一目で分かるような身なりだったり言動だったりしたことを反省していたが。
えっさんはこれまで人生で多くのお金を保有したことがないので想像するしかないが、どうしてお金を稼げる自分、持っている自分はえらい人なんだと勘違いが生じるのかというプロセスについては「なるほどな〜」と納得した。
では、資本主義社会においてお金をもっていることで享受できることってどんなことなのだろうと次に考えた。
1つはより良いサービスを受けられるということはあるかもしれない。
例えば、ザラザラのトイレットペーパーではなく、ふわふわのトイレットペーパーを使えるとか。新幹線ではグリーン車に乗れるとか。カプセルホテルや漫画喫茶の狭い空間で寝なくていいとか(好き好んで寝ている場合を除く)。入院中に、大部屋ではなく個室を選択できるとか。自費診療の高額な医療技術の恩恵を受けられるとか。
もう1つは、働く場所や住む場所に縛られる要素が小さくなるというのもあるかもしれない。
お金のために我慢して嫌いな上司と一緒に働いたり、好きでもない仕事をする必要はないだろうし、住む場所も自分の価値観に合わせて自由に選ぶことができやすくなる。
つまり、お金をもっているからえらいということはなく、お金をもっていると自分や家族にとって快適だと感じる暮らしを選択できる可能性が増えるということは言えそうだな〜と思った!
・ウォーレン・バフェット氏が伝える「卵巣の宝くじ」
世界のお金持ちと言って必ず名前が登場する投資家のウォーレン・バフェット氏。
この世界的ベストセラーになった書籍「Think clearly」⬇︎によるとバフェット氏は、先進国に生まれるか貧困国に生まれるかで運命づけられる格差のことを「卵巣の宝くじ」と呼んだそうだ。
確かに、アメリカや日本で生まれることと、アフガニスタンやパキスタンで生まれることでは生涯得られるお金の額も確率的にはかなり異なるのだろうと思う。
Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための /サンマ-ク出版/ロルフ・ドベリ | ||||
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この書籍の中に書いてある「卵巣の宝くじ」という発想をベースに、メンタリストDaiGoさんの話に戻ると、彼は自分が手に入れた学歴や収入を自分の努力や、能力の結果だと思っている節があった。
自分はこんだけたくさんの本を、論文を読んでいるとアピールし、学術的な根拠に欠ける商品や考えを断罪したり貶めたりするような言い方を好んでいた。
しかし、彼が日本で生まれたことや、どの地域で生まれたのかや、どの家庭のもとに生まれたかは彼が選んだことではない幸運の連続ということを忘れてはいけないなとも思った。
はたまた時代が違っていたらと想像してみよう。日本が江戸時代のまだ身分階層があった時代。「穢多・非人」と呼ばれた階層に、国の施策上の都合で無作為にカテゴライズされた家庭に生まれてしまったら、彼のもっている能力や、努力はどれだけ活かすことができたのだろうかと想像してみるといいかもしれない。
お金を持っていること自体が人としての価値やえらさとは無関係なのと同時に、当人がお金を持つことができたこと自体は偶然のかけ合わせであり、宝くじが当選するほどの幸運を持って生まれたことの結果であるということを、今回の発言の炎上から、自分事としてしっかりと受け止めようと考えさせられたのだった。
では、最後に子どもからの質問の回答を改めて考えてみようと思う!!
ねぇねぇ。YouTuberの人がお金をたくさんもっているってえらいことなんだって言ってたよ!!
お金をもっている人は、えらい人なの??
お金をもっているから、えらいって事実はないよ!ただお金をもっていると、自分の暮らしに関連する選択肢が増えるということはあるかもしれない。けど、それ以上でも以下でもないんじゃないかな。
そして、もしお金を多く持つことが出来たとしても忘れてはいけないことは、お金があるのは自分の能力や努力よりは、生まれた国や地域、それに時代の要素が大きいってこと。そういう自分の偶然が重なった幸運に対して常に謙虚さと、感謝の気持ちをずっともっていると今を生きることに幸せな気持ちを感じられるかもしれないね!
お金を稼ぐって、お金を持っているってどういうことだと親から子どもに嘘偽りなく伝えることが出来るだろうか。人生において大切なものはお金では買えないし、お金を持っていることが自分の幸せにつながるわけではない。ただ仮に子どもが成長して、多くのお金を持つことができたのなら自分の暮らしの選択肢は増えるかもしれないし、それが悪いことだとは思わない。けれど、それに対して子どもには謙虚さと感謝の気持ちをずっと忘れずにいて欲しいものだな〜。