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「無痛分娩」という出産家族旅行 体験記〜費用詳細公開

・「無痛分娩」概要と準備編

無痛分娩とは、麻酔を使って陣痛の痛みを和らげながら出産する分娩方法!

よく言われているのがフランスやフィンランドで8割超、アメリカやカナダ、イギリスやベルギーで約6割の人が無痛分娩で出産しており、北米やヨーロッパの一部の国では自然分娩よりも多い出産方法であるということ。

自然分娩以外にも計画分娩(誘発分娩)、帝王切開や和痛分娩などあるが、えっさんが無痛分娩を選択したのは、次の2つの理由が大きい。

・事前に出産の準備(家族の日程調整や、出産までに必要な新生児用品など)ができること

・「痛いんだろうな〜」を想像して不安にならずに済んで、分娩後の体力回復が母子ともに早いこと

しかし、無痛分娩をしようと思っても、全員が無痛分娩を予定通りできるとは限らない。

医療機関が定める「ハイリスク妊娠」に該当する場合はクリニックでは受け入れが難しいケースがあるので、事前に医療機関のHPや出産予定の直接問い合わせをして、よく確認してから選択した方がいいだろう。

えっさんの医療機関の選択基準は、「通院も考慮したアクセスの良さ+辛口の口コミを含めた出産体験者の声」。

アクセスについては電車、車ともに30分圏内で探した。近くてよかったと実際に思ったのが、つわりが酷い時に近いとすぐに受診でき、点滴を打ってもらえたので助かったこと。

医療機関が決まってからの準備は、えっさんのケースだと妊婦健診の時に妊娠糖尿病になったので産婦人科とは別に、糖尿病外来がある病院に通院をしていた。

ここで食事指導を受けたり、インスリン注射を毎日3回実施し、血糖値を測っていた。

妊娠中の食事制限に加えて、食べる物に気をつけなくてはいけない+インスリン注射自体は、慣れてくると1回2〜3分で出来るのだが毎日のことなので、それはそれで手間がかかる。

無痛ができるかどうかの判断は、計画日の2週間くらい前に、記憶していた血糖値と糖尿病外来の医師の所見を、産婦人科の先生にみてもらい最終的に無痛分娩の判断をしてもらう流れだった。

友人のケースだと、無痛分娩のクリニックにずっと通院していたが直前で切迫早産の診断を受けて無痛分娩を断念したとのことだった。

周りでも無痛を希望する人が増えてきたが、無痛分娩ができる医療機関がまだまだ日本に少ないのは、無痛分娩には麻酔科の医師が常駐する体制を整えるのが大変なことがあるようだ。

えっさんが出産したクリニックでは、院長先生が産婦人科医と麻酔科医を兼任していたが、別に麻酔科医を雇用するのは確かにハードルが高そうだ。

また、無痛分娩について説明がある書面を同意書として提出することが必要なので、必ず内容をよく読んでから望もう!

・「無痛分娩」前日〜当日出産編

分娩日は、次の基準で決まった!
えっさんのケースでは、胎児の体重が2,500gに達する+正期産の37週目以降。

えっさんは妊娠糖尿病で、胎児の体重が増加する可能性があったため、37週と1日目で無事出産日が決定!
その日は大安ではなかったけど、大安は結婚式と同じで人気があるみたい。笑。

前日については、2つの処置をする。1つ目が子宮口を開くこと。2つ目は、麻酔のチューブを背中に刺すこと。

痛かったのは、子宮口を開くこと!えっさんの時は初産ということでバルーン処置という方法だった。

正式名称は「メトロイリンテル」。子宮口にゴムの袋を入れて蒸留水や生理食塩水を注入し、袋を風船のように膨らませて子宮頸管を押し広げる医療器具を使っての処置のこと。

このバルーンがうまく子宮口にフィットせず、なんだか下半身が圧迫される生理の酷い日よりも更に酷い、鈍い痛みがあり、「痛かったら言ってください」の先生からの声がけに思わず食い気味で「痛いで〜す。う〜」と伝えた。

「無理〜辛いわ〜」と思ったのは時間にして5〜10分くらい。

このとき、1回バルーンを入れ直してからは落ち着いて、この処置でこんな痛いなら出産はやはりもっと痛いのかと思ったが、実際には出産のときのほうが痛くなかった。拍子抜け。

2つ目の麻酔のチューブを背中に刺す処置は、カテーテル挿入前に局所麻酔をするのでそんなに痛くはなかった。

でも、初めのうちズーンとした痛みはあった。笑。分娩室内でこの1つ目の処置をしたのだが、その間、夕ご飯も分娩台まで持ってきてくれてベッドを起こしてもらった状態で食べた。

出産当日の朝はご飯が食べられないので夕食をじっくり味わって食べ、それでも暇なのでえっさんは電子書籍Kindleをもっていって、本を1冊読み終えた。

読んだ本のタイトルは、「フランス人は老いを愛する」笑。


先生ともゆっくり話をすることができて、薬の注入量や注入方法をどんな風に工夫しているのかなどを詳しく聞けてかなり精神的に安心することができた!無痛分娩かつ初産で午前中にほとんどの人が出産をしているのは、世界的にみても貴重だと分かり、改めてこんな早い時間から診てもらえることに感謝だった。

部屋に戻ると夫が部屋で暇そうに待機していたが、翌朝に備えて早めに就寝した。

翌朝は、午前3時過ぎには分娩室には入った。家族については最大2名分娩室にいてもいいプランだったが、夫が分娩室にいても何もすることがないので、子宮口が全開になったらナースコールで部屋に呼び出しをしてもらうことに。

分娩室では、事前に「バースプラン:出産計画書」にアロマの香りの希望なんかを聞いてもらっていたので、ゼラニウムとネロリ、オレンジのブレンドの香りに癒されて、背中からすーっと冷たい麻酔液が入ってもうとうとしてしまうほどだった。陣痛促進剤も遷延分娩を回避する目的で胎児に影響ないものを使用した。その間、7時半くらいまではやはり、Kindleで本を読んでいた。

分娩室に動きが出てきたのが、AM8時少し前。子宮口が8割ほど開いたところで夫が呼ばれ、全開になったところでこれは普通の分娩と同じように「いきみ」を看護師の方の合図に合わせてする。

子宮口が広がる感じはあるのだが、そんなに痛くはないので、とても冷静にいきむことができる。感覚的には、頑張って開かない瓶の蓋をあけるくらいのいきみ具合。

ちょっと頭がつっかかってしまい呼吸が苦しそうだったので、急ぎ取り上げてもらった。そこからはあっという間で、無事に元気な産声をあげ、感動の嵐が襲う!!!!!
その時も息子の顔をじっくりと見ることができたので、今でも息子の生まれた瞬間の顔は鮮明に記憶に残っている。

看護師の方が「携帯カメラで撮ってください」と促され、夫が慌ててたくさんの写真を撮っていた。笑。

8時半過ぎには産まれて、会陰切開時も痛みはなく、9時前には親に電話で「無事産まれたよ〜」という電話を分娩室内でできた。親もあまりに早い時間の出産で、しかも元気そうな声でびっくりしていた。

朝から緊張状態だったので、当日のお昼ご飯が美味しいこと!!

午後、麻酔の効果が切れてからの方が会陰切開の縫合の痛みに地味に苦しんだが、ドーナッツクッションがないと座れない以外は体力的にも元気で、息子も検査に問題がなく、当日は授乳指導を受けつつ、夜は息子を看護師さんにあずけ、ゆっくりと休むことができた。

・  入院中のイベント

入院中もとっても思い出深いイベントがあり、まさに非日常という意味で旅行気分を味わうことができた!

2日目も息子はほとんど寝ていて夕方くらいにちょっとだけ目を開けていた。夫も前日から2日目までは会社を休んで息子と戯れていた。

3日目から朝からミルク作り、沐浴を教わり、午後はアロマオイルを使ったフットマッサージでリラックスした。
なお、えっさんは象の足のように脚がむくみ3週間くらいはパンパンだった。
フットマッサージの後は、クリニックまで提携しているカメラマンの人が来てくれて、息子のニューボーンフォトを撮影してくれた。

実家の親も夕方には会いにきてくれて、体重も2,500をわずかに超えるくらいの体重だったので写真でみるよりも小さい赤ちゃんに、触れるのもそおーっと、そおーっと慎重だった。

夜は写真のお祝いディナーをおしゃれなダイニングで夫と2人で食べた。メニュー表が丁寧に置かれ、シェフがお祝いの言葉とともに、食材の説明をしてくれるので高級なレストランのような気分だった。
そして、出産を経たからこそ、普通の旅行よりも食事の時に断然に話が弾む。
前菜には、好きなのに10ヶ月に渡って食べることができなかった生のサーモンを早速食べることが出来て「あ〜美味しい」と自然と普段よりもじっくり味わって食べることができた。

4日目は、助産師の方から新生児のお世話について丁寧にレクチャーを受け、疑問点を解消できた。また、「産後も24時間体制で相談に乗りますので、何かあれば電話してくださいね」と言われて、そう言ってもらえるだけで本当にありがたかった。
なお、クリニックの助産師の方たちで考案した産後ケアのオリジナルブレンドハーブティーが絶品で、ハーブティーが好きなえっさんは、友人からもらったハーブティーと交互に飲んでいたおかげか入院中も切開後の痛み以外は体調がとても良い感じだった。

5日目最終日は、いよいよ退院。朝に産後ストレッチも無料で参加できるのだが、切開傷が痛んでこちらは断念!
切開傷の痛みは個人差があると思うので、割とストレッチにはみんな参加しているようだった。
最後にオリジナルの記念品をたくさんいただき、セレモニードレス姿の赤ちゃんと家族の写真を撮ってもらった。

お祝いディナー 前菜
お祝いディナー スープ 
お祝いディナー メイン
お祝いディナー デザート
入院中のお昼ご飯
入院中のおやつ

・「無痛分娩」全費用の内訳公開!

無痛分娩は、医療機関によっても結構費用に差があり、更に宿泊する部屋によっても差があるのであくまで今後検討されている方の参考情報として公開!!

前提:えっさんは、自分の所属する会社の社会保険に加入。
社会保険の場合、妊娠4ヵ月(85日)以上の人が出産したときは、出産時に出産育児一時金として基本的には42万円が支給される。「全国健康保険協会(通称:協会けんぽ)」という健康保険組合を組織していない社会保険加入者の人が入る保険の場合は42万円が上限。(出産育児一時金については、多くの医療機関で直接支払制度により組合から支払機関を通して直接、医療機関に支払われるので、総額が42万円以下なら自分の持ち出しはない)

また、会社が所属する「健康保険組合(通称:けんぽ組合)」によっては、独自でプラスαの給付がある。
えっさんの場合は、この独自給付でプラス10万円が後日(出産から3ヶ月後くらいに)けんぽ組合から支給された。(配偶者の扶養に入っている場合も、独自給付が適用がされたりするので、健康保険組合に加入している場合はけんぽ組合の給付一覧をチェックしてみよう!)
そのため、総合計金額から合計52万円を差し引いた金額が自分の持ち出しの費用となる。

宿泊した部屋は、自分以外に夫をはじめとした家族1名が宿泊可能なトイレ/シャワールームが同室内にある個室を利用した!

事前に分娩の予約金として2回に分けて事前に30万円は、医療機関に前払いをしている。

項目 費用
・基本の分娩セット 605,000円
・入院宿泊費 ※5泊6日だが6日分かかる 202,000円
・無痛等分娩費 ※無痛分娩時にかかる費用 206,000円
・聴覚検査  ※自治体から補助金を引いた費用 5,000円
・出産証明書 ※各種手続きに必要 5,500円
・新生児管理 ※出産時から5日分の費用 50,000円
・医療制度掛け金 16,000円
・その他   60,000円
合計 1,149,500円

実際に自分たちの持ち出しとなったのは、この合計金額から52万円を引いた629,500円也!!(2020年末時点)

なお、退院日は医療機関によって現金以外使えないことがある。えっさんも上記の金額から前払い金30万と出産育児一時金42万を引いた43万ほどが現金で必要になった。退院日の前日には支払い予定額を知らせてもらえた。事前におおよその金額は聞いておいて、退院日に準備できるようにしておくと安心だ!

しかし金額的には、まだまだ自然分娩に比べると高い印象!!同じタイミングで自然分娩だった友人は42万もいかなかったと言っていたので、結婚式と同じように何に費用をかけるかは事前によくよく家族で話し合ってみよう!

けど、今回 実際に体験してみて、医師に高度な技術や経験が必要であること+家族の予定もたてやすく、何より希望通りの出産家族旅行を叶えることが出来たのは本当に貴重な体験だったことは確かだ。

これから無痛分娩を選択肢に考えている人の、出産準備の参考になったら嬉しい!!!

今日の子どもが豊かに生きるヒント!

出産は人生の中で、家族が増える何にも変え難い忘れられない日!今を生きる子どもが、さらに自分の子どもを授かる時は、きっと今よりも更に選択できることが増えているはず!母子の安全に配慮されているなら、どんな出産も同じように尊いことを伝えよう!

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