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絵本「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」を読んで、子どもに伝えたいお金の話!

・お金の教育としても、子どもに伝えたい絵本

この絵本をご存知の方も多いのではないだろうか。
ベストセラー絵本として50万部を売り上げ、昨年日本で映画も公開されている「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」

2012年、ブラジルのリオデジャネイロで開かれた国際会議で、南米のウルグアイのムヒカ大統領はのちに世界の人々から絶賛されるスピーチをのこしている。
この絵本は、このスピーチの全容を子ども向けに紹介しているのだ!以下、絵本の紹介文。

2012年、ブラジルのリオデジャネイロで国際会議が開かれました。環境が悪化した地球の未来について、話し合うためでした。世界中から集まった各国の代表者は、順番に意見をのべていきました。しかし、これといった名案は出ません。そんな会議も終わりに近づき、南米の国ウルグアイの番がやってきました。演説の壇上に立ったムヒカ大統領。質素な背広にネクタイなしのシャツすがたです。そう、かれは世界でいちばん貧しい大統領なのです。給料の大半を貧しい人のために寄付し、大統領の公邸には住まず、町からはなれた農場で奥さんとくらしています。花や野菜を作り、運転手つきの立派な車に乗るかわりに古びた愛車を自分で運転して、大統領の仕事に向かいます。身なりをかまうことなく働くムヒカ大統領を、ウルグアイの人びとは親しみをこめて「ペペ」とよんでいます。さて、ムヒカ大統領の演説が始まりました。会場の人たちは、小国の話にそれほど関心をいだいてはいないようでした。しかし演説が終わったとき、大きな拍手がわきおこったのです。

「BOOK」データベース

もう10年近く前のスピーチで、えっさんがこの絵本を買ったのはちょうど話題になったときだったので、6〜7年前。えっさんのお金に対する考え方を正してくれた今もなお大切な絵本だ。

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この絵本の中で、ムヒカ元大統領は資本主義の中で築き上げられてきた大量生産、大量消費に代表されるような自分たちの生き方を見直すことが、人類の幸福にとって必要だと伝えている。

今でこそ、SDGsに代表される「持続可能な社会」のための取り組みが、1人1人のアクションまで浸透してきたが、消費活動の行動変容にまで及んだのはここ3、4年だろうか。
ペットボトルは辞めてマイボトルや水筒を持参することが普通になり、炭酸を炭酸水メーカーで作るようになった人も増えた。政策的なこともあるが、買い物袋を持参することも習慣化した。
また、サスティナブルなファッションや化粧品の需要自体も高まり、この会社は動物を搾取したり、過酷な労働環境で人を働かせたり、大量廃棄をしてはいないか、という目線を消費者ももてるようになってきた。

えっさんも、この絵本の影響も受けて5年前くらいからこうした企業の取り組みにも注目して買うようになった。
例えば、昨年長く愛用する目的でリュックを探していて「マザーハウス」さんのバックを購入することにした。
途上国から世界に通用するブランドをコンセプトに、デザインや品質に妥協せずに生産者にきちんとお金が届く仕組みで商品が作られているサステナブルな取り組みで有名な企業の1つだ。

その他にも、えっさんはチョコレートが好きなのだが、実際のカカオ農家で働く人には、チョコレートなんて食べたこともないという人も少なくないのがまだ世界の現状だ。そのためチョコを購入するお店も「Minimal」さんや「imperfect」さんといった生産者の顔が見えたり、購入することで自分がSDGsの取り組みに参加できるお店で購入することを意識している。いずれもお値段ははるので、えっさんにとってはご褒美チョコレートとして美味しくいただいている!

消費者にとっても満足度が高く、長く愛用できるものを作りながらもSDGsに取り組む会社は会社規模を問わず増えているし、えっさんが投資のために株を買う時も「サステナブル」銘柄を中心に購入するようになった。

消費者のお金の使い方自体が大量生産・大量消費から転換してきており、親世代のこうしたサステナブルを意識した消費行動が引き継がれていくことで、子どものマネーリテラシーも向上していくのかもしれない。

・「貧しさ」の定義とは?

古代の賢人エピクロスやセネカ、そしてアイマラ民族は、次のように言いました。
「貧乏とは、少ししか持っていないことではなく、かぎりなく多くを必要とし、もっともっととほしがることである。」

「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」より

絵本の中で、スピーチの一部として貧乏の定義についてこのように引用されている!
本当の貧しさとは心のあり方なのだと聞いたことがある人も多いのではないだろうか。

例えば、子どものズボンに穴が空いてしまったとする。
このことで2つの同じ経済状況の家族が、それぞれ話しているシーンを想像してみよう。

ある家族では、これでは子どもが惨めでかわいそうだ。「なんでうちには新しいズボンを買うお金すらないんだ。」「こんなに貧しいのは稼ぎの悪いお前のせいだ!」と親同士が罵り合っている家庭があるとする。


また別の家族では、「わー、よく遊んだからその勲章で穴が空いたんだね!」「こんな風に履いたら穴すら格好良くなるよ、リメイクしよう!」と親同士がにこやかに子どもに向かって話しかけている家庭があるとする。

同じ状況でも、心のあり方で上記の家庭の子どもが自分は貧しいと認識するのか、そうではないのかに大きな差が出るのは、えっさんも「確かにな〜」と思うわけだ。

いくらお金があっても「家族の笑い声が響く、お互いを思いやって毎日を過ごしている家庭」を買うことができない。しかし、いくらお金がなくても「家族の笑い声が響く、お互いを思いやって毎日を過ごしている家庭」を築くことは家族全員の努力で可能なのだ!

もちろん程度問題もあるが、日本においては困窮状況によっては支援を受けつつということもあるだろうが、少ししかもたずとも自分の心のあり方を変えることで、豊かに生きることは不可能ではないだろう。

実際、ガチのミニマリストほどではなくとも、自分が本当に必要なものだけを取捨選択することで、所有物を少なくした結果、自分が大事にしたいものが何なのかが見えてくるという考え方に共感できる人も増えているのではないだろうか。

・「本当に大事なものはお金では買えない」と伝える

欲しいものを欲しいだけ買っても、本当の意味で豊かにはなれないことをどう子どもに伝えたらいいだろう。

この絵本を子どもに読み聞かせることはもちろん、役に立つかもしれない。
けれど、実際には「子どもが欲しいと言ったものは、すべて買い与える」など親自身の言動に矛盾が生じていたら、子どもには響かないだろう。

お金がいくらあっても、自分以上にお金がある人がいたらお金で買えるものは他者に奪われる可能性がある。
けれど、お金を出しても買えないものは簡単に奪われることはないのだ。

友人信頼、はたまた辛い時自分をいつも励ましてくれる大切な人との思い出など お金で買えないことの方が心豊かに生きる上では大事なのだ

そのことを子どもたちに親世代が伝えるには、繰り返しその時、その時の子どもに適した言葉や身近な例を用いて伝えていくことは大事なことだ。
そして、実際に自分たちもお金で買えないものに価値を見出し、それらを大事にしているからこそ心豊かに生きられるのだということを心のあり方で親世代が体現していくことも同じように大事なのではないだろうか。

今日の子どもが豊かに生きるヒント!

貧しさの本質は大量生産・大量消費を良しとするような心のあり方にある。お金で買えるものをいくら買っても本当の意味で豊かになることは難しいのかもしれない。子どもにそのことを伝えるためには、子どもの成長に合わせて繰り返し伝えること、そして親世代がお金で買えない価値を大事にする心のあり方を体現することを意識していけたらな〜と思うのだ。

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