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フランスの大自然の中で子育てする友人の話から学ぶ、子どものサバイバル能力について!

・仏と日のキャリアの違いと、生活に与える影響!

以前にもブログで書いたことがあったのだが、えっさんには高校時代の同級生で今もつながっている大好きな友人が2人いる(高校の管理的な校風が合わなすぎて、2人とのご縁はまさに奇跡!)。
2人とも同世代の子どものママであり、仕事もしているという共通点もあって同じ時代をともに生きてる同志でもある。ひとりは日本の大手IT企業でネットワークエンジニアをしていて、2人の娘さんがいる。もうひとりはフランスでプロジェクト単位でアーティストとして活動していて、4歳の息子さんがいる。

先日、今はフランスの有名な別荘地に家族で定住している友人と、ベルギーのブリュッセルで生活をしていたときに話をしてから、実に2年以上ぶりに、オンラインで話をしたのだ。
今回は、そんな友人のフランスでの子育てと生活環境、人生観に大きなプラスのエネルギーをもらったので、その話から感じたことを本ブログでもご紹介できればと思っている♪

友人はフランス人の子どもの親としてビザを取得していて、フランス人のパートナーがガイドの国家資格を取得するために、自然環境が豊かな別荘地に定住している。
住んでいる環境としては、市街行きのバス停は居住エリアからは離れた場所にあり、それも1日に1本しかなく、景観や自然環境を守るために居住エリアには公共交通機関の類がない場所なのだそう。まさに雄大な大自然の中で生活をしている。

友人自身は幼少期からダンスを習っていて、日本有数の国立大学を卒業してから、しばらくは日本でフリーのアーティストとして活動をしていた。
しかし、日本ではアーティストとして継続的に生計を立てキャリアを築くことに苦慮し、ヨーロッパ留学の研究奨学生としてエントリー。見事審査に合格をして渡欧を実現させて、そこで今のパートナーと出会い、子どもを授かり、フランスを拠点に生活をすることにしたのだ。
もともと学生時代から欧州各国を中心に留学経験が豊富ということもあり、英語も堪能な友人。しかし、今回のベルギーからのフランス移住に際して、仏語の習得と各種役所関連の手続きには相当な労力と努力を積み重ねていた。しかし、そんな苦労を感じさせない陽のエネルギーが全身に満ちていたのだ。

生活費は、パートナーが資格取得のために学んでいる期間は国からの生活保障と不定期の就労報酬、自身のアーティストとしての報酬で生活をしている。フランスは、国内の就労実績が一定あると、日本で言うところの失業手当に近い生活保障を国に申請でき、生活保障を受けながら国家資格の試験準備に集中することができる
欧州では、スポーツガイドの資格に需要がある。障がいを抱えた方や、子ども向けに屋外スポーツ(カヤックやマウンテンバイクなど)や登山などのガイド職はニーズも多く、公的な資格取得前の現在も仕事の依頼は絶えないのだそう。

また、友人本人もアーティストとしてフランスを拠点を活動をすることにしたので、居住地からプロジェクト単位で公演依頼を受けるとしばらく家を空けて、月単位で遠征して仕事をしているのだそうだ。格好良すぎる!!
フランスではアーティストとしての職業地位が確立していて、舞台芸術・映画のフリーランス労働者が失業手当を受給できる制度「アンテルミタン・デュ・スペクタクル」があり、年間507時間以上働くと仕事のない期間も手当が享受できるしくみになっている。コロナ禍でもこの制度を利用して、アーティスト活動を継続できた人たちが多いのだそうだ。
1年中アーティストとして活動をしていなくても、日本の平均的なフルタイム(月160時間)から考えると年に約3ヶ月ほど働けば良い計算となり、アーティストとして子育てをしながらも生活面では安心してキャリアを築くことができるのは素晴らしい制度だなと感じた。公演依頼を受けるのもオーディションを経てのプロジェクトだと、その公演にたどり着くまでに労力がかかるのだが、友人ははじめは知り合いの代役などからスタートをし、そこで人脈を築くことに注力をした。その結果、どんどん人からの紹介で仕事を受けられるようになり、今は安定してこの507時間分の仕事を担えるまでに基盤が整った様子だった。

日本で置き換えてみると、仮に夫が資格勉強のため不定期収入で、自分がプロジェクトベースのフリーランスで働き、共働きで子育てをするとなると、どちらかが経済的に自分の理想とするキャリアを諦めなくていけないような現実があったりする。
けれど、こうした国の芸術やスポーツに関する価値観・制度のおかげでお互いの仕事を尊重しながら、自然豊かな場所で子育てをしつつ、自分のキャリアも絶やすことなく歩める環境があると、生活する上での希望も見出すことができるな〜と感じた。

・4歳児、片道3キロの凸凹道を毎日、自転車を漕いで元気に登園!

えっさんは、この先の子育てのことを考えたときに、激化する中学受験や東大信奉に代表される偏差値至上主義が未だ蔓延る空気感に暗澹たる気持ちになることが多かった。
もちろん、受験勉強には学校で教えてくれる以上の高いレベルで思考力が問われる面白い問題があったり、自分がこれまでわからなかった難しい問題が分かるようになるという成長実感を感じられる側面も大いにあると思う。
けれど、中学受験ならば小学生の段階で興味がない知識であったとしても、詰め込まなくてはならない知識量も多いことには反対なのだ。偏差値が高い大学進学を目指すような詰め込み学習よりも、今の時代をもっと希望をもって生きる上で、子どものときだからこそ、自由にとことん探求する時間と選択肢がたくさんあるのではないか。
そんな思いで今は子育て環境について試行錯誤をしていることもあって、フランスでの友人の子育ての話を聞いて、とても気持ちが軽く、明るくなったのだ。

フランスでは、友人ファミリーのようにキャリアが多様であるということがとても、自然なことなのだ。
日本だと一貫した連続性のあるキャリアや、一社で長くキャリアを築いている人のほうが、転職をする上で市場価値が高いといった慣習が、ここのところ若手優秀層を筆頭に崩れてきているとは言え、まだ残念ながら根強い。
けれど、フランスでは以前は、建築の仕事をしていたけど、今は観光ガイドの資格をとって働くなどキャリアチェンジが歓迎されているし、そうした複数の異なる分野でのキャリアを築いている人も身近にたくさんいるのだそう。
これまでとは異なるキャリアを大人になってから学び、実現しても、キャリアとして充分に道が拓ける可能性があるのだ。
キャリアチェンジを歓迎してくれる雰囲気が社会に出てからも身近にあると、学び直しもとてもしやすいし、学んでいる間に生活保障をしてくれるのであれば、チャレンジもしやすい環境と言えるのではないだろうか。

学費の面でも、日本の学費と比べるとよっぽど良心的。
フランスで大学進学費用を考えると、仮に国立大学に入った場合、基本的に学費は無料。修士まで進んでも5年間で合計 約16万円しかかからず、私立大学の場合も約40万〜160万程度と私立でも日本の大学の約1年分の大学費用で進学がかなう。
ただ、例外としてはフランスの場合はグランゼコール(Grandes Ecoles)という、日本で言うところの大学院に相当するエリートコースがあって、組織の幹部養成のための難関高等教育機関が存在する。
こちらは学費が他と比べると相対的に高くトータル500万くらい。大学での専攻やグランゼコール出身か否かで、各界でのエリートコースの道に行けるのか、社会に出てから活躍できる分野が決まる学歴社会の側面がフランスにあることは否定できない。しかし、別に大学進学をはじめとする教育費捻出のために頑張って働かないといけない親が多いかというとそうでもないといううわけだ!

友人の4歳の息子さんは、両親の遺伝要素もあると思われるが大自然の中で思いっきり身体を動かしている相乗効果もあり、身体能力が極めて高い様子が話から伝わってきた。
日本でいうところの幼稚園の年中さんが、1人で舗装されていない凸凹道を毎日往復6キロ以上の道のりを自転車を漕いて登園していることに驚きを隠せない!!!しかも息子さんは、自転車を漕ぎながら、道で会う人たち全員に「Bonjour !」と言いながら、手を振り笑顔で挨拶をし、毎日元気いっぱいに過ごしているのだそう。
フランスは水曜日が学校の休校日のことが多いのだが、水曜日にはマウンテンバイクの課外活動にも参加しているなど、日々体力をつけ逞しく成長する姿が目に浮かぶようだった。
こうした類稀な身体能力を備えている子どもにとっては、ビジネスエリートを目指す以外のキャリアや選択肢が豊富にあり、その道を自分で自由に選び、生活をし続けられるという実感を得られる国で生きていくことのほうが未来が明るいのは間違いないだろうと感じた。

・もっと肩の力を抜いて!呼吸がしやすい環境を創造し続ける!

子どもに教育費をかけずとも、子どもの未来に希望を感じられる空気感の中で生活をできるのであれば、親ももっと自由に自分の生き方を創造していくことができるんだろうな〜と友人の話を聞きながら感じた。
友人も、年を重ね身体能力が落ちたとしても同じアーティストとして50代、60代の人たちが現役で活躍している様子をたくさんみているので、今後もアーティストとしてフランスで活躍していくという未来を、ありありとイメージできるようだった。
また、パートナーもこうした友人の働き方を応援してくれているので、練習と公演期間中の1~2ヶ月間、まとまって家を空ける期間があっても、子育てを主体となって担ってもらえるので安心して仕事に打ち込むことができるのだと言っていた♫

また、フランスという国は働く人の休みがとにかく多いことはよく知られている!企業が社員に与えなくてはいけない有給も、年25日間と日本よりも多く、さらに大事なポイントとして、有給消化率は100%!!
友人はこの休みが多い就労環境と、子どもの学費のために貯めなくてはいけないお金もないこと。この先も好きな仕事に邁進できる未来が描けるということで、子どもと一緒にバカンスとして1ヶ月ほど滞在したい国と地域がたくさんあるのだと言っていた。
また、引越しについてもポジティブで来年の夏に、今の場所からもっと身軽に移動ができるように空港に近い場所に引っ越す予定をしているのだそうだ。引越しの方法も、自分たちでトラックを借りて、車も自分たちで何時間も運転して長距離移動するというやり方!!大きな家具は事前に売却し、引越し先では安く仕入れる。
バカンスなどの交通費や滞在費にはお金をかけても、引越しや日々の生活は自分たちでできることは自分たちで担い、生活費については背伸びをしないミニマムレベルの生活を維持する。なんて素敵なライフスタイルなんだろうと、聞いているだけで元気をもらえた。
友人が「引越しをして空港が近くなったら、ぜひ遊びに来て〜」と誘ってくれたので、これは子どもが小学校に入学するまでには、本気で実現しようと決めたのだった!!

別に富裕層ではなくても、安定したキャリアが約束されていなくても、私たちは子育てをしながらだって、もっと自由に希望をもって自分自身の、そして子どもの未来を描き、自分達にとって今を生きる上でワクワクする体験をたくさんして、笑顔で過ごしていくことが本来、可能なのではないだろうか。
日本にいると、友人のようなロールモデルは希少すぎて、ときに「未来のために。万が一のために。」と今を心から楽しく生きるための可能性を、自分自身がこれまで培ってしまったレガシーな思い込みでつぶしてしまいそうになることがある。
けれど、そうした思い込みを一度フラットにして、私は今、呼吸がしやすいだろうか?日々の生活を希望をもって過ごせているのだろうか?と振り返ってみようと思った。もし素直に「Yes」と言えないなら、どうしたらそれが実現できるのかを家族みんなで前向きに話し合ってみよう!と友人の話から、思い直すことができたのだった。

今日の子どもが豊かに生きるヒント!

我々親世代は今、何だかちょっと息苦しい空気が漂う世界の中で、せめて子どもには希望をもって生きてほしいと思いながら毎日を一生懸命に暮らしているのではないだろうか。
我々が子どもたちにできることは、子どもがどんな世界をこれから生きるにしても、自らの手で希望を生み出し、どんな大きな変化があってもサバイブできる力を身につけられるようサポートすることだけなのかもしれない。
そのためにも、ただサポートを外からするだけではなく、自分自身の内から人生観をフラットに振り返る必要があるように感じる。一度自分がこれまで培ったレガシーな思い込みを捨て、自らが率先して肩肘を張らずに、呼吸がしやすいライフスタイルの実現に向けて建設的に歩みを進めていく。こうした親世代の内なる変化が、子どものサバイバル能力を養うためにも必要なのかもしれない。

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