・北の丸公園の中にある「科学技術館」!
最近、都内を中心に首都圏の動物園、水族館、美術館、博物館などを調べているとこれまで足を踏み入れたことがない場所、あるいは記憶にないので行ったことがないと思い込んでいる場所がとても多いことに気がついた!
先日夫と子どもと3人で遊びに行った「科学技術館」もその一つだった!東京のど真ん中、北の丸公園の中に佇む1964年4月開館と60年近い歴史があるこちらの場所に初めて訪れたのだが、とても楽しい展示が多かったのでご紹介させていただきたい!
アクセスとしては、東京メトロ東西線の「竹橋駅」「九段下駅」からが徒歩10分以内の場所にある。公園の中を歩いた先に「科学技術館」はひっそりと建っていた。展示は、2階から5階までの4フロアで構成されている。
入館料は、大人880円で4歳以上は400円の設定で、今は事前の予約なく入館することができる。
「科学技術館」は「現代から近未来の科学技術や産業技術に関する知識を広く国民に対して普及・啓発する目的で公益財団法人日本科学技術振興財団が設立した施設」なのだそうだ。なので、過去というよりは今と未来にフォーカスをした展示が中心の施設だと言える!
建物自体は決して新しいわけではなく、お手洗いもウォシュレットがなかったりと施設設備自体は新しくないものの、清潔に保たれていた。展示自体は目新しさもあって、プログラムも随時更新されていることが伝わってきた。
当日参加できる体験プログラムが1階の受付に貼ってあった⬇︎ので、目的のプログラムに参加するのに整理券が必要なものについては朝一に受け取りに行くことが賢明かもしれない。休日ということもあってか4階の「実験スタジアム」は終日「満席」の表示がされていた。えっさんは開館の15分前くらいに着いたのだが、すでに前に子どもを合わせると15人くらいの人が並んでいたので、こうしたプログラムの参加を目的に遊びに来ているファミリーも多そうだった。
展示以外の施設としてはB1階にレストランがあって、レストラン内への持ち込みはできないようだった。カレーとオムライス(どれも1,000円以内)をメインに、飲み物やアイス(どれも500円以内)などが揃っている⬇︎
また、受付の前にはお土産も売っていて基本的には子ども向けの科学系の実験グッズや本などが多かった。しかし、オリジナルのお土産としてびっくりしたのが、なんと周期表Tシャツが売られていた⬇︎笑。
・科学技術館の2階・3階
次に実際の展示についてご紹介できればと思うのだが、館内の移動について2階から5階まではベビーカーを持参して移動する場合はエレベーター移動を案内された。このエレベーターが展示物などの搬入も行うような業務用のエレベーターで、中はかなり空間が広くてびっくりした。エレベーターの操作は、担当のスタッフの方がしてくれたので「1歳くらいの子どもだと、どの階に行くのかお勧めですか?」と質問をしたところ、「2階はもう少し大きい子たちで最初は混み合うから、5階から回ってまずはシャボン玉に入ったりとかが良いかもしれない」と丁寧に教えてくれたのだ。そのため、えっさんたちは5階から2階まで1フロアずつ降りていく形で館内を回ったのだが、こちらのブログでは分かりやすいように2階からご紹介できればと思う!!
2階の展示は、大きく3つで「ものづくり」「自転車」「クルマ」の展示室に分かれていた。
「ものづくり」については、これからを見据えたとしても注目すべき技術について中心に紹介されていた。「科学技術館」の特長としてどのフロアにもワークショップができるスペースがあったことだ。この「ものづくり」のお部屋ではワークショップに参加するのに別途料金が必要なのだがレーザー技術を使った定規作りなど実際に展示されている技術を使ったものづくりを体感できるようだった。
こちらは3Dプリンターをはじめとしたデジタル工房の展示⬇︎使い方の映像や実際の製作物を展示して、視覚的にもわかるような工夫がされていた。
他にも3Dスキャナーやプログラミングロボットとの展示もあったのだが、子どもはこの歯車のギアを組み立てる展示にハマってギアを入れる、外すといった動作を何度も繰り返していた⬇︎自分が思うようにできないと本気で怒っていて、その様子にこれも成長の証なんだろうな〜と微笑ましく感じた。
お次は自転車の展示⬇︎こちらの展示では自転車技術の変遷を紹介していて、電動アシスト自転車に体験乗車できるので小学生くらいになると面白さが増すかもしれない。息子は、一つ一つを指差して「自転車」「自転車」と連呼しながらこの展示室内を小走りで見て回っていた。
そして、2階の中でひときわ賑わっていたのが「クルマ」の展示。ここの展示の最大の魅力は、車からバイク、トラックまで様々な種類の乗り物の運転をシミュレータで体験できることにある⬇︎もちろん混み合っていれば並ぶ必要はあるものの、本格的なシミュレーターを入館料の範囲内で楽しみ放題なのは乗り物好きの子どもには天国と言えるかもしれない。
「科学技術館」が現代と近未来の技術を中心に展示しているだけあって、クルマの展示の中心も電気自動車やハイブリッドカーといったこれからの主役を担うクルマの展示で構成されていることも、子どもには身近な技術として感じてもらうのに良いな〜と感じた。
ハイブリッドカーも、こうしてクルマの構造が分かるように展示されていて、運転席からもクルマの中が見えるよう工夫がされていた⬇︎子どもも、こちらの透明な柵の外側にぴったりとくっついて離れようとせず、車の中を見ようと必死で覗いていたので、もの珍しかったのかもしれない。
他にもバイクや乗用車でのドライビング体験もできるのだが、1人で体験するのには130cm以上の身長が必要だった。そのため、子どもは夫が膝の上に乗せながら慎重に運転することに⬇︎それでも、子どもはシミュレーターの運転ハンドルを動かせることに、とてもはしゃいでいる様子だった。
また、身長制限がないシミュレーターもあった⬇︎のでこちらにもトライしたものの、本人の中では大きなシミュレーターのほうが気に入った様子だった。
こちらも子どもはただハンドルを握るだけで精一杯だったのだが、トラックの大きな運転席に座るという貴重な体験をすることが出来て笑顔になっていた⬇︎
続いては、3階フロアのご紹介!3階の展示は大きく4つのテーマから構成されていて、「原子力」「くすり」「電力」「電機・電子・情報・通信」の部屋に分かれている!分野としては、2階よりは難しく感じる子どもも多いかもしれない。
まずは、「原子力」からスタート!!ここでもできるだけ視覚的に理解できるように、可愛らしい絵やボールなどを使ってエネルギーの流れを見えるように展示の工夫がされていた。
地球環境や日本のエネルギー事情も考慮した上で、これからのエネルギー利用について考えることができるお部屋となっている。
子どもも太陽を差して「Sun、Sun」と言いながら、頑張って自然エネルギーを生み出すためにハンドルを回していた⬇︎
お次は、「くすり」のお部屋!ここでは、くすりの歴史について知れたり、くすりがどうやって作られるかを知ったり、新薬の研究体験や映像を通じて学ぶことができたりする。
このお部屋で子どもが出来たことは、こちらの病原菌にタッチすることで病原菌をやっつける体験⬇︎1歳児でも感覚的に分かりやすいゲームだったようで、すぐに要領をつかんで下のほうに来た病原菌をすかさず一生懸命に叩いていた。笑。
続いては、「電力」のお部屋に!電気のことをメインに知ることができる場所で、通常目に見えない電気の流れを様々な現象を通じて感じることができるように展示がされていた。ここではペダルを漕いで電力を生み出すといった体験を小学生くらいの子どもたちが楽しそうにやっていた。
少し暗くなった部屋では、ボタンを押すことで強い電気が通って明るく光る「アーク放電」を見ることができて、子どももこのボタンを押すことで電気の光が下から上に広がっていく様子をまじまじと眺めていた⬇︎
こちらは、モーターの仕組みについて学べるスペース⬇︎自分たちの日常にあるモーターを作ってみたり、回したり、身近にあるモーターを街中の様子から体感したりすることができる。子どもはモーターの仕組みそのものより、レバーを下げたらメリーゴーランドや観覧車が回ったりする様子をありのまま楽しんでいた。
3階の最後に回ったのが、「電機・電子・情報・通信」をテーマとした展示⬇︎今後も生活を便利に豊かにしてくれるだろう技術について体験できる。そして、どんな風に技術が活用されるとより便利になるのかということを想像できる場所になっている。こちらの部屋は、子どもが体験するには全体的に難易度が高い展示だったのだが、こうした画面に映った「もの」に反応して指差しをしていた。
・科学技術館の4階・5階
続けて4階、5階のフロアのご紹介をしていこうと思う!まずは4階フロアから。今回の「科学技術館」の滞在の中で、一番長い時間を過ごしたのがこちらの4階フロアだった。展示だけではなく、軽食を出してくれる食堂のような場所で食事をしたり、直径10mのドームスクリーンで映像を見たりといった時間があったので滞在時間が長くなった。
4階は、「建設」「ドーム映像」「鉄鋼」「実験ショー」といった展示の構成になっていた!
まずは「建設館」へ足を運んでみた。ビルや住宅、橋にトンネルといった建物をつくる技術とそれらを守る技術について知ることができるお部屋。体験としては、パズルを組み立てたり、ゲーム感覚で建設機械を動かしたり、地震や免震装置の体験もすることができる。
建設館内の演示実験コーナーでは、「地震から建物をまもる」をテーマに映像が流れていた⬇︎えっさんとしては、子ども向けに分かりやすく解説がされている噛み砕いた内容が、とっつき難い建築構造の概要を理解をするのにちょうどよい難易度で大人にとっても勉強になるな〜と感じた。
このお部屋で一番、子どもが夢中になったのがタワークレーンの操作体験だった⬇︎実物大のクレーンゲームのような感覚で操作できるのも魅力的だった^ ^こちらは子どもたちに人気もあって、2組ほど順番待ちをしていた!!
頭上にある映像と実際のクレーンの先端部を見ながら、ボールをつかんで目的地まで運んで落とすという動作を体験することができる。4歳くらいの子どもは大人の助けもかりずに一人で操作することが出来ていた。息子は、夫と一緒になってレバーを操作して、夫に主導権を握られるのを、頑なに嫌がっていた。笑。⬇︎
お次は、「鉄鋼」コーナーへ!鉄にテーマを絞った展示というのもこれまで体験した記憶がなかったので、えっさんにとっても新鮮な学びを得られる展示で鉄のSDGsの観点は、なかなか面白いな〜と感じた⬇︎
そして4階のフロアの中でもとても人気があり、整理券予約が必要な「実験スタジアム」⬇︎こちらは、10時の開館時間に合わせて整理券を求める人たちで賑わっていたようで、少なくとも10時半の段階ではすべてのプログラムが整理券配布済みの「満席」だった。
この日は光や音、水不足の課題解決に役立つ「ろ過」に関するプログラム、他にも科学実験を通してレモンに含まれる「リモネン」や「クエン酸」について学べる実験プログラムなんかもあった!
もう少し子どもが大きくなったら、ぜひとも参加したいプログラムだな〜と感じた。
続いてこちらは海の巨大な映像も入口前に投影されていた「シンラドーム」という名称のドームスクリーン⬇︎こちらも整理券を事前に取得することが必要!
ここではプラネタリウムの番組だけではなく、宇宙について学べる番組、解説などはなく刻々と変化するオーロラとピアノ音だけで構成された番組などのドーム投影番組に加えて、第一線で活躍している研究者による科学ライブショーもあったりと「科学技術館」ならではの番組プログラムを楽しむことができる。
こうしたプログラムも追加料金がかからずに参加できるのは、とても魅力的だな〜と感じた。
子どものお昼寝までの滞在時間の関係で、午前中のオーロラの投影番組だけ観ることに。席は自由席で、一度入ると基本的には出ることができないので子どものご機嫌が良いタイミングであることを願いつつ整理券を取得してみた。
大人向けのプログラムと記載があったものの小さい子連れ家族もとても多かったので、子どもが何か投影中に言葉を発していても目立つことはなかった。しかし、途中で子どもが泣いてしまったら、退出するファミリーも何組かいた。息子ははじめは興味をもってオーロラを見ていたものの、10分ほどしたら飽きてしまったようでもぞもぞして動いていた。しかし、意外にも騒ぎはせず最後まで観ることができた!大人にとっても子どもが静かに鑑賞をしてくれるのであれば、美しいオーロラ映像に癒される時間となった♫
4階にも軽食を出してくれる場所があって、この日は11時からオープンをしていた!11時30分からドームシアターの整理券を取得していたので、それまでにこちらでランチをすることに♫メニューとしては、うどんやそば、ラーメンにカレーとオムライス、アメリカンドッグにおにぎりといった軽食の定番メニューが揃っている印象。
注文したのはマイルドカレーライス2杯(610円/人)とフライドポテト(220円)⬇︎4階のほうがB1階のレストランよりはカジュアルでお値段もリーズナブル。こちらで食べた甘めのカレーが想像以上に本格的でおいしかったので、子どももポテトよりはカレーばかりを欲しがってもぐもぐ食べてくれた。
そして、最後にご紹介するのが5階フロア。乳児向けには、最初に5階を回ることをおすすめされたので一番最初に訪れたフロアがこちらだった。5階中央には「探検」というテーマでオリエンテーリングとしてこのフロアの紹介がある。見慣れたものがいつもと違うように感じたりできる仕掛けをこのフロアでは体感できるように構成されているのだ。「光」「錯覚」「試作実験」「機械」のテーマがあった。
感覚をテーマにした展示では、全部で30台のカメラから360°撮影される体験ができる。普段は見ることができない自分の体のかたちや背中の様子なんかの違った見え方を体験するできる「サークル・ビュー」があって、これには子どもも自分の姿に驚いていた⬇︎
他にも視覚的に楽しめる面白い展示がいくつもあったのだが、5階フロアでは主に「試作実験室」のお部屋で遊んでいる時間が長かった。こちらのお部屋では、「科学教室」の実験ショーも開催されている⬇︎
他にも「竜巻」の展示もあり、ボタンを押すと竜巻が発生するので子どもも喜んでいた⬇︎ここでは、入館した人たちも製作者の一員として参加してもらうことを大切にされているようで、スタッフの人たちも積極的に子どもに体験方法を教えてくれたのがとてもありがたかった!!
そして、こちらが「科学技術館」で最も子どもが面白がって何度も体験したがったシャンボン玉の中に入れる展示⬇︎
開館時間と同時にこちらに足を運んだこともあって、息子以外にしばらく子どもたちもいなかったのだ。そのため、何度もシャボン玉にチャレンジすることができた。はじめこそびっくりしていたものの、慣れてきたら一人でシャボン玉の中に入って、中から笑顔でシャボン玉に触って割ろうとするほどに興味が湧いてきた様子だった(*^^*)
乳幼児には内容的に難しい展示ももちろんあったものの、視覚的・感覚的に楽しめるサイエンス体験もたくさんあった!!「科学技術館」に遊びに行くことは、子どもが小さいうちからこうした科学を身近に感じてもらうのに展示方法も内容もとっても面白く、子どもの興味を引き出す絶好の場だと感じた時間だった!!子どももサイエンス体験を通じて刺激がいっぱいあったようで、「科学技術館」を出ると同時に眠ってしまった。
・科学技術館の帰りに立ち寄りたい「昭和館」
「科学技術館」から日本武道館を通過して帰る途中で地下鉄「九段下」駅のほうに向かうと見えてくるデザイン性ある建物が昭和館⬇︎なのだが、こちらも「科学技術館」同様にえっさんはこれまで一度も足を踏み入れたことがなかった。考えてみると目立つ建物で、これまでも何度も見かけたのにその建物が自分も入れる建物なのかどうかなんて気にしたことがなかったな〜と思う。
「昭和館」は戦中・戦後の日本のくらしを次の世代に伝えるための国立の施設なのだそう。6階と7階にある常設展の入場料は、大人300円で中学生以下は無料と手頃。なお、企画展だけであれば、この日は無料で入場することができた⬇︎
子どもが昼寝の時間だったので、大人の社会科見学ということで立ち寄ってみることに!7階から6階に階段を降りていく流れで展示を回ることになる。戦争がはじまる前の昭和10年頃の美味しそうなコロッケとお惣菜がついた夕食(食事を再現)からだんだんと戦中・戦後と暮らし向きが変化していって、梅干しだけの日の丸弁当などの展示なんかもあり、視覚的に戦争がもたらした生活への影響も伝わる展示となっていた。
7階から6階の階段の踊り場には、終戦を知らせるラジオの音声も当時の機器を再現したラジオから聞くことができる貴重な場所だった。6階では母子家庭として遺された家族や、戦争孤児の状況についても知ることができる。
当時の子どもたちがどれだけ大変な状況で必死で生き抜いてきたのか、そういうことを想像するだけで「今をしっかりと生きよう。子どもが生きていきたいと思える環境をつくろう」という気持ちが強くなった。
そして、「科学技術館」でこれからの未来の技術にも触れた中で、「昭和館」に立ち寄ったことで夫とも自分たちが今、いかに便利を享受した幸せな環境下で生きているのかということを振り返る機会にもなった。戦争の歴史の中で今があることを頭のどこかでは理解していても、その当時の生活をリアルに目の当たりにすることで平和への思いを強くする力があるのだと「昭和館」の展示を通じて体感することができたのだった!
子どもにはサイエンスを自分の生活の一部として身近に感じられるような体験を小さいうちから多く積み重ねていってもらいたい。そして、その身近にある科学が過去・現在・未来とどのように発展していったのか、これからどう人々の生活に役立つことを目指しているのか。人々を不幸にしてしまうような過去の過ちは決して繰り返さないこと、幸せな未来を描くこと。そんなことを考える機会となる場所を子どもと一緒に訪れてみてはいかがだろうか。