・「稼ぎたい」「成り上がりたい」本音を隠さない若者
このブログもスタートしてからお陰様で1年経った(読んでいただいて、本当に感謝しかないm(_ _)m)のだが、振り返ってみると意外とえっさんの本職であるキャリア関連の投稿が少ないことに気がついた!
本ブログ自体が、子どものライフ&キャリアについて親世代に向けて書いているということもあり、もう少し本業のキャリアの話も増やしていきたいと思っているのだ♪
実際に今も普段から学生や第二新卒と言われる若者とキャリア面談する機会も多いので、今後は若い世代と関わる中で感じたリアルをお伝えする中で、子どものキャリアについてあなたと一緒により深めていけたらとても嬉しい ^ ^
えっさんが若者のキャリア支援をしていて、とてもありがたいな〜と思うことのひとつが自分とは異なる世代の人たちとライフ&キャリアに関する対話ができることにある。やはり、自分の感覚が時代の流れからどんどん鈍くなることを回避する意味でも特に若い世代との交流はとても大切なライフワークだと感じている。
その中で今回は、とある第二新卒と呼ばれる社会人2〜3年目の若者との対話で感じたことを共有したいと思う!!
※なお、設定や経歴は同世代の複数人の転職希望者を混在して再構成している。
その若者は、社会人3年目の男性で正社員として4社経験をしていて、すでに4社目は入社してから3ヶ月で退職をして現在は個人で仕事を請け負いつつ、自分が納得がいく企業に就職をするために転職活動をしている。
これまでの経歴としては地方の中堅国立大学の経済学部を卒業後、1、2社目は証券会社で営業をしていて、3、4社目はWeb制作受託企業でWebマーケティングの仕事をしていた。
彼は、面談中「稼ぎたい」「成り上がりたい」と何度も口にしていたのがとても印象的だった。えっさんは彼の見た目が中性的で若手俳優にいそうな整った顔立ちをしていたこともあり、初見では金銭欲が強い印象がなかったので「ぶっちゃけ稼ぎたい」という本音を隠さずに口にすることがなんだか意外な感じがしたのだ。
・稼ぐ目的について質問をしたときの若者の回答
ここで、少し彼【石川さん(仮)】との面接対策のやりとりの一部をご紹介したいと思う。
学生時代からFXを中心に投資をしていたこともあって、証券会社に入ってもっと知識を得てさらに稼いでやると思ったんですよね。
稼ぎたいと思われて、それが叶うと考えた就職先を選ばれたんですね。
はい、成り上がりたいって気持ちはWeb業界に転職してからもずっとあって。これからはWebの知識があれば証券会社より何となく稼げるだろうと思って転職したんすよね。
成り上がりたい気持ちが強いんですね。稼ぐことや成り上がるというのは、石川さんにとって具体的にはどんなゴールイメージなんですか。
具体的に・・・。そこまでは、考えてないです。う〜ん、とにかく稼いで成り上がりたいということまでしか考えてないっすね。
石川さんは会社を辞めてから現在、転職活動をしていることもあって金銭的に窮してるという話だった。
企業選びは妥協したくないという思いは強いものの、現実問題として背に腹は変えられぬといった切迫感もあった。
稼ぎたいという気持ちで転職を繰り返しているのだが、現状は「稼ぐ」ことから離れていってしまっているようだ。
何のために稼ぐのか、いくら稼ぎたいのか。稼いだらどうしたいのか。成り上がるとはどういうイメージなのか。
こうした質問をこの後も角度を変えてしてみたが、結局 石川さんの口からは何も具体的なことは出てこなかったのでえっさんから例えばということで、以下のようによく言われるような稼いだ先の話をしてみた。
例えば、金銭的にゆとりができることで、仕事や一緒に働く人、住む場所などを自由に選べる状況が生まれる。そうすることで、心身ともに余裕をもって自分のやりたいことに挑戦し続けるようになりたいなど。
確かに!言われてみると。けど、考えてみたことなかったです。・・・なるほど。お金があっても、すごい物欲があるわけでもなかったので、稼いでどうしたいのか。そうっすね。
えっさんは石川さんの話を聞きながら、自分の人生最大の優先事項として掲げている「稼ぐ」行為について、自分事として一歩も踏み込んで考えていないことについて「なぜなのだろう?」と素朴な疑問が浮かんだ。
石川さんに限らずたまに同じような思考をもった若者に遭遇するのだが、思考の深さが「稼ぐ」「成り上がる」というところまでで停まっている若者は、これからどんなライフ&キャリアを歩むのだろうかとこの先の足取りもとても気にかかる。
なお、今回えっさん自身が限られた時間(今回は1回きりのサポートサービス)で石川さんにできたことは、「稼ぐ」「成り上がりたい」という気持ちをまずは受け止めること。ただその言葉と思いを本音で面接官に伝えてしまうと、希望するWeb業界の企業ではチームでの協力意識も大事になるので、人によっては利己的・自己中心的な印象を与えかねないこと。そうした、誤解を与えない伝え方のレクチャーと入退社の理由も他責に聞こえる言い回しは避けたほうがいいこと。面接では、転職希望の企業先視点で自分と企業との接点が伝わるような面接となるよう伝え方を変換すること。また、その具体的な変換方法をお伝えするというごくわずかなサポートで、タイムオーバーになってしまった。
・稼いでいる人が正義と思い込む危うさ
面接対策のキャリアサポートでの依頼だったものの、石川さんに本当な必要なサポートは、お金についての基本的な考え方を学べるリベ大【https://liberaluni.com】のような「稼ぐ」ことに対しての専門性があって信頼のおけるサポート先を伝えて学んでもらうこと。また、石川さんにとっての「成り上がる」ことのイメージの具体的な棚卸しと、それを実現するためにどうしたらいいのかということを石川さん自身に深く考えてもらうことなのかもしれない〜と感じた。
「稼げる」ことを至上命題にしている若者と接していて危ういと感じることは、稼いでいる人が勝者、稼いでいる人は正義だという短絡的な思考にもつながりやすいことにある。
例えば、実業家として成功しているインフルエンサーが自分の専門外の話をしていて的外れだったり、正しいインプットに基づかない誤った見識を発信していることもあったりする。
それに対して「その発言は誤った知識に基づいた発言だ」と事実を訂正している人に対しても、「このインフルエンサーはお前より稼いでいるんだよ」といった発言をしたり、稼いでいるインフルエンサーが誤ったことを伝えていても「稼いでいる人が言っていることは全て正しい」と盲目的に信じ込んでしまったりする。
「稼ぐ目的は何なのか」「どうして稼ぎたいのか」「稼いでどうしたいのか」こうした稼いだ先の話は自分の価値観が問われるところでもあるので、きちんと立ち止まって振り返ってみたほうがいいのではないだろうか。
それが具体的に落とし込めるようになると何で稼ぎたいと思っていたのかが明確になるし、それを実現するには稼ぐ以外に他に道がないのか、本当にその希望額を稼がないと実現できないのかと言った建設的な話にもつながっていきやすい。
自分がライフ&キャリアに求めることが腹落ちしてくると稼いでいる人に対して盲目的に信奉する必要もなくなるので、稼いだ先に本当に実現したいと思ったことに向かって稼ぐ意外の道も選択肢として増え、地道に歩みを進められる可能性が高いとえっさんは考えるのだが、あなたはこうした稼ぐことを人生の至上命題にしている若者のキャリアに対してどう考えるだろうか。
これから先のキャリアを考える上で、自分が最優先に考えていることについてはなぜそれが最優先なのか。それを優先することで、どんなことを自分が実現したいと思っているのか。そのことを言語化できたり、腹落ちさせられるようになることは、自分が本当に納得できるキャリアの歩み方を実現する上では欠かせないのではないだろうか。