・はじめに
長年、10代の若者から経営者まで幅広い層のキャリア支援をしていると、以前は学生だった若者がその後どんなキャリアを歩み、社会人としてキャリアを築いているのか、というプロセスを知れる機会に恵まれることがある。
学生時代は挑戦することに積極的だった人でも、社会人になってから挑戦するよりは守りを大事にするようになった人もいるし、反対に社会人になってからより大きな挑戦をする人もいる。
こういう事例をたくさんみていると、「こういうケースだと、こうなるんだろうな」とつい予測をしてしまうこともあるのだが、自分の予測が外れたときのほうがキャリアとして面白く魅力的であったりする。人のキャリアというのは本人の意思で典型的なケースやパターンから外れれば外れるほど面白いプロセスを歩んでいけるものだし、その人自身の人としての深みもどんどんと増してくるものだな〜と感じる。
今回のキャリアのお話は新卒で入社した大企業を2年で辞めて(当時のブログはこちら)、茨城で新規就農(当時のブログはこちら)をしていた友人のその後のお話。
今現在は茨城にいたときのご縁やつながり、自分が実際にやってみて感じた課題感の中から、静岡で地域おこし協力隊として国産レモンブランドを立ち上げて【これまでの経緯はこちら】、その地域に移住して生き活きと頑張っている✨
そんな新しい土地と地域で挑戦を続ける友人に会いに、子どもを連れて会いに行った時のお話をご紹介したいと思う【現在の詳しい取り組みはこちら】♪
友人のキャリアプロセスをみていて思うことは、本人がやりたいと思ったことをみつけたのなら、多少のリスクを負ってでもその時に一歩踏み出さないとこの先も後悔が残る可能性があるということだ!
結局やってみないことには、自分が思い描いていたことを実現するためのギャップも、本当は何を具体的に実現したかったのかも、実際に実現した先のことについても、手触り感をもって深く学び、実際に「じぶんごと」として触れることができない。
そして、やりたいことに挑戦をするのであればいつ挑戦するにしても遅すぎることはないとは言え、やはり体力もエネルギーもみなぎっている若いうちのほうが多少の無理も効いて、全力で挑戦できる環境や状況が整いやすい✨
自分自身を振り返ってみても若いうちにが自分が思い描いた仕事に挑戦できたことが、今の生活にちょうど良いキャリアの布石になっているし、生涯を通じて自分のキャリアに悔いを残さないよう歩みを進める上でも有意義だったな〜と感じている。
友人を通じて、子どもにもぜひ今のうちからチャレンジし続けること、自分から積極的に例え新しい土地や環境であっても、仲間と良好な関係性を築くことを楽しめる人に成長をしてもらいたいな〜と感じた時間でもあった。
・レモン収穫体験とレモネード作り
さてそんな新しい挑戦の真っ只中、静岡のレモンブランド「波乗りレモン」で地域活性を担う友人を訪ねて、3歳の息子と一緒に、静岡県牧之原市までは新幹線と電車、駅からは友人に送迎をしてもらい車を乗り継いでやってきた✨
この日は空が澄んでいて風も心地が良い晴れやかな天候で、車窓から茶畑が広がる長閑な風景を眺めていると、これからの時間に気持ちが上向き、そしてこの土地で生きることを想像してとても穏やかな心持ちになった。
今回は、事前にクラウドファンディングを通じて「レモン収穫体験」を申し込みさせてもらい、【レモン収穫+収穫したレモンを使ったレモネード作り+1kgのレモンお土産付き】というプランを体験させてもらうことに♪
牧之原市はもともと日本一のお茶の産地ということで茶畑が広がっていたそうなのだが、今は茶畑の管理や労力と価格のバランスなどからお茶畑が放置されている状態の畑も車窓から見えて、友人がその状況を詳しく教えてくれた。
そうして、茶畑と両立して栽培ができ、温暖な気候や土地を生かしてレモン栽培をスタートすることになったのだそう!現在は40名以上の農家の方がこの取り組みに賛同をして「波乗りレモン」を栽培しており、そのネットワークは更なる広がりをみせている。
こうした茶畑の状況に危機感をもった30代、40代のまだまだ若い農家の方も多いようで、友人はそうした農家さんたちの想いを背負って「波乗りレモン」の各地でのブランドPRはもちろん、持続的な農業にするための人や環境の土台作り、販路の拡大や地域のお店とのコラボ商品の開発など、日々異なる力が求められる仕事に邁進をしている様子を伺うことができた。
友人の取り組みに対して、新聞やTV等のメディアでの露出もどんどんと増えてきており、地域活性の取り組みとしても大きく注目をされている!!
そのため、友人は仕事がないときでも本気で地域活性に貢献したいと、ボランティアで地元イベントのお手伝いをしたり、イベントを積極的に盛り上げたり、飲食をともにしたりと、つながりある全ての人たちの信頼に応えようと奮闘していた。自分自身の私的な言動にも責任をもって日々を生活していることを感じ、そうした友人の真摯な姿勢にも心打たれるものがあった。
もともと今回のレモン収穫体験に参加を決める前から子どもはレモンが好きで、レモンを酸っぱい顔をしながら「おいしい〜」と言って食べていた!
そのため今回のことも伝えると「レモンだ〜い好き〜♡レモン狩り楽しみ〜!僕、ママのお友達のレモン『う〜ん、美味しい♡』って言うんだ〜」と非常に意気込んでいたのだ。笑。
今回お邪魔させていただいた農家の方のお家には息子と同じ学年のお子さんもいて、案内してくれた農家の方もえっさんと同じ年齢ということで、勝手に親近感を覚えさせていただきながら一緒にレモン畑まで✨
レモンの他にみかんも一緒に栽培されていて、緑色や黄色やオレンジ色の鮮やかな実がなる木々の様子に、長時間の移動でお疲れ気味だった息子も、すっかり元気を取り戻した様子だった!!
えっさんはこうした畑の様子を眺めながら、何かこう人の手で丹念に築き上げた畑と自然が溶け込んだ風景って不思議と心が和むな〜と景観に見入ってしまった。
レモン畑の様子もとても新鮮で、レモンの木には品種によってトゲがあったりするので収穫の際は子どものために友人がトゲを切り落として、立ったまま手にもてる範囲の美味しそうなレモンを収穫させてもらうことに!!
まだ黄色に色づく前のレモンも、黄色に色づいたレモンもつやつや✨としていてとってもキレイだった^^
レモン好きが高じてレモン柄トレーナーを着てきた息子もさまざまな大きさと色合いのレモンを見比べながら、キョロキョロ周りを観察していた。
「どれを収穫させてもらうべきなのか」友人のレモンお兄ちゃんと一緒に探索している時間も、目を輝かせてすごく良い表情をしていた!!
友人のもともとの素養なのか、小さい子どもとの接し方がとても自然で慣れている様子が大変頼もしかった♫
友人は息子が収穫しやすそうな場所にあるレモンを素早く見つけて、子どもが自分で採れるように優しくサポートをしてくれたので、自分で力を込めて収穫できる達成感を息子も味わえている様子だった!!
レモンに加えてご厚意でみかんも収穫させていただき、木の違いにも触れることができて、母子ともに学びが大きい時間となった。
今回のクラファンの体験は、レモン1kgお持ち帰りできる♡というお土産付きだったので、子どももレモンを測りに自ら乗せて、ぴったり1kgにするために一生懸命に試行錯誤していた!!
みかんも合わせて、1kgぴったりに✨⬇︎
お土産のレモンをプレゼントしていただいたところで、今度は収穫したてのレモンを使ったレモネード作りに挑戦することに♫
屋外でこうした調理体験をできることもなかなかない機会で、早速レモンをカットしてみたところ、大きな種が1つもない、きれいな黄色の輪がみずみずしいレモンに思わずうっとりとしてしまうほど!
レモネードはレモンの果汁にお砂糖・お水を加えた清涼飲料のことを言うので、今回はレモン果汁にはちみつと砂糖、お湯で作るシンプルなレモネード作りに挑戦させていただいた!!
レモンを絞ったり、果汁を容器に入れたり、材料をかき混ぜたりと3歳児でもできる工程を考えてくれたことにも友人にはとても感謝だった!!こんな風に体験のディテールを想像する力というのも、地域活性化を担う上では重要な能力だな〜と感心してしまった。
息子もレモネードが完成した後はすぐにコップに入った飲料を一気に飲み干していて、「美味しい?」と問いかけても飲むことに夢中で「うんうん」と首を懸命に動かして美味しさを伝えてくれていた。笑。
家に持ち帰ってきた当日も、息子はこのレモネード作りのことをよく覚えていて「レモンジュース作りたい!」とキッチンに自分専用のスツールとまな板を率先して持ってきて、レモンを冷蔵庫の野菜室から取り出して、一人準備万端だった。
えっさんは連日の長距離移動でお疲れ気味だったので帰ってきた直後は、もう少しゆっくりとしていたかったのだが、息子がここまで気合いを入れて準備しているのであれば、「一緒にレモネードを作ろう!」と自宅でもすぐに今回の体験を再現させてもらうことに!!
今度はレモネードを飲みながら言葉で「Yummy、yummy、yummy〜♫」と笑顔で歌いながら上機嫌で、「本当に美味しいんだな〜」ということが伝わってきた貴重な体験となったのだった。
なお、こうして何かを自分で作る体験は今後もどんどん一緒にやっていきたいと思っており、他の能力にはあまりこだわらないえっさんも、息子が冷蔵庫なんかにある材料でナチュラルに料理ができるようになることは本人が自律した日々を営む上での必須スキルだと思っているので、何よりも熱心に一緒に取り組んでいる今日この頃なのだ。笑。
・野菜収穫と収穫した野菜を食べる大切さ
さてそんなレモン体験の後は、友人が茨城に続き静岡で栽培を続けている野菜の収穫を体験させてもらえるということで、一緒に連れて行ってもらえることに!!
前回、友人の栽培している畑に連れて行ってもらったときも、今も友人はとても元気で健康そうだった!!
その理由は、日々太陽のもとで土に触れているのはもちろん、自分で育てた野菜を自ら調理してたくさん食べていることも大きいのかもしれない。
友人と一緒に子どもが畑を探索している間、えっさんは空を見上げて大きく深呼吸して随分と心身ともにリラックスした気持ちになっていた。
やはり、家の中で毎日仕事をしていると体力の衰えを感じるし、何だか思考自体も内向きに煮詰まることがあったりする。
こうして栽培されている野菜や土や日光に触れる時間が日常的にあると、ある種のばくっとした心身の不調からは解放されるような気がするな〜と感じたのだった。
レモンに続いて、野菜の収穫も体験させてもらえることに!!
茎をカットして収穫するもの、土の中から掘り起こして収穫するものと色々とお野菜の種類があって、収穫の難易度も野菜によって異なるので、子どもも夢中になってトライしていた!!
…トライと言えば、最近息子と同じクラスのお友だちと一緒に園のお迎えの後に遊んでいたら、息子が何かしようとして転んだところをすかさずお友だちが「Nice try!」と大きな声で励ましてくれたことがあった。
そのやりとりを見ていてとても気持ちの良いやりとりだな〜と感じて、それ以来子どもへの声かけのときにはトライ自体を肯定する言葉かけをより意識するようになった♫
そうした声かけをしていると親である自分自身の気持ちも上がるな〜と感じる^^
同じ野菜でも、色や形状や大きさがが違っているのでどの野菜を収穫をするにしても、新鮮な発見に満ちていた!
やっぱり誰の手もかりずに自分だけで収穫できるとなおのこと嬉しそうな様子だった。
レモン狩りのときから野菜収穫までの短い時間の間にも、友人のサポートのおかげもあって随分と収穫ハサミの使い方が上手になっていった!!
息子のクラスでは今年クリスマスコンサートで「おおきなかぶ」をやるということで、野菜の収穫ではかぶの収穫により一層テンションが上がっていた!!かぶは子どもの力でも抜けやすいこともあって、「大きいかぶのほうが甘くて美味しいよ〜」と友人に教えてもらいながら、リアルおおきなかぶを抜くべく、奮闘をしていた!!
息子はかぶを収穫できたことに心から感動をした様子で、カゴいっぱいに収穫した野菜を「僕、どのお野菜もだ〜い好き!全部、食べる!!」と言ってご満悦だった。家に帰ってからもぜひその気持ちを忘れずに、どんな野菜も食べてもらいたいと思いつつ。笑。
実際にオクラやカブの葉をそのまま口に入れてみるということにもトライさせてもらって、苦味も含めて収穫した野菜をそのまま味わうという体験って子どもの食育にとっても重要な機会だな〜と感じた。
持ち帰れる分だけ、野菜を分けていただき家で調理して食べることに♪
子どもも自分で収穫した野菜は、普段あまり食がすすまない種類の野菜でも、ここぞというばかりに「美味しい!」と言って食べてくれて、自分で収穫した野菜を食べることの大切さを学ばせていただけるとっても貴重な経験にもなった!!
・地域の人たちとの交流と複合的なキャリアの築き方
友人の羨ましいな〜と思うことの一つは体力、気力ともに充実しているので、自分の本職以外のことでも関連するさまざまな新しい取り組みや、自分がやりたいと思う実験的な取り組みにも同時並行で取り組めるだけのバイタリティがあることだ。
さまざまな人たちのキャリアの歩みのお話を聞かせていただいている中で感じることは、このバイタリティの総量が大きいということが、地頭の良さや学歴・過去の実績なんかを超えて、自分が理想とするキャリアを実現させる上で強烈な武器になるということだ。
こうして複合的に自分が心のままに思う取り組みに挑戦をし続け、主体的に経験することで、また自分でも思いがけないキャリアが築けたり、自分が描いていたキャリアをさらにアップデートしたキャリアが築けたりするするものだったりする。
友人は野菜収穫の後に、ランチも兼ねて地域のお祭りとマルシェを兼ねた運動会イベントにも連れていってくれた♫
今回の体験の前にはこうしたイベントのお手伝いに自発的に参加をしたり、イベントに参加中も積極的にイベントを盛り上げようと元気よく声を出したり、多くの人たちと交流をしていて、地域に溶け込んでいる様子がうかがえた。
イベント自体はエクササイズになるダンスをみんなでしたり、綱引きをしたりと身体を動かせたり、子どもが楽しめる遊具に、屋台出店もあって、多くの親子連れでにぎわっていた✨
こうした地域の人たちの交流イベントの場に都内でも、大阪に引越してからも参加することって夏のお祭り以外はなかったので、えっさん自身もなんだかこの場所で生活することを具体的にイメージできる時間にもなった。
イベントの目的としては、こうした地域での楽しい時間を家族や子どもたちの楽しい思い出としても残してあげることで、この場所で生活し続けたいと思ってもらえたり、また何かしらで貢献したいと思ってもらえるような土壌を築いていくこともあるようだった。
子どもも、凍らせたミニトマトが入った米粉クレープを美味しそうに食べていたり、友人と同じ年齢の地元の若者が自分たちで0ベースから創り上げたぶどう農園で栽培したぶどうを使った酵素ジュースをごくごく飲んだりしていた。
友人はこうした同じ世代の地域の仲間たちとも協働して、実際に自分たちで収穫した野菜や釣ったお魚を使って1からのBBQ体験を家族で楽しめる旅のプランを計画していた。旅行会社との提携や金融機関からの融資など、アイデアをどんどんと形にしていっており、こうしたプロセス自体を心から楽しんでいる様子にこちらまでポジティブな氣を分けていただいた♫
なお最近 恐竜大好きな息子は、突如現れたティラノサウルスから追いかけられて「きゃ〜」と言いながら非常に嬉しそうだった!こうして他の子どもたちとも一緒に輪の中に入って遊んでいる様子をみながら、子ども同士はすぐに打ち解けて「一緒に遊ぼう!」と仲良くなるので、とても素敵な関係性だな〜といつもながら感じていた。
イベントの最後には、地域の工務店と商店の方たちの協力のもと、子どもたちに向けて「お菓子まき」をしてくれるという非常に盛り上がるフィナーレが用意されていた✨
こういう体験っていつまでも子どもたちにとって楽しかった記憶として残り続けるんだろうな〜と感じた♫
息子も上から降ってくるお菓子をゲットしようと必死に頑張っていて、たくさんのお友だちにも混ざって最後まで全力で楽しんでお菓子を自分でゲットできたことを誇らしそうにしていた!!
今回の体験を通じて、友人にすっかり懐いていた息子は近くの公園でもたくさん遊んでもらって「ママのお友だちのレモンのお兄ちゃん、だ〜いすき」と言いながら、イベントが終わると珍しくぐっすりとお昼寝モードに突入していた。
ホテルには16時くらいにチェックインをしてベッドで就寝し18時には起きてきて、友人がもういないことに気づいてがっかりしていたが、お土産にいただいたレモンや野菜をみて「早く食べたい!!」と疲れも取れた様子ですっかり元気になっていた✨
えっさんも、久しぶりに帽子をかぶらずに太陽の下に長時間いたのでやや疲れはあったものの、夜は子どもとホテルの大浴場に浸かって疲れをとって、軽めに夕食を済ませて早めに就寝したこともあり朝の目覚めは非常によかった!!
今回の旅を通じて、友人の新しいキャリアにも勇気をもらい、子どもにも友人のように自分の実現したいキャリアに向けて若いうちから挑戦し続けれるように(自炊もできるように。笑)、成長してもらえたら嬉しいな〜と感じた。こうして子どもにとっても、これから先のロールモデルになるような素敵な友人との出逢いとなるかけがえのない時間となったのだった!!
友人のキャリアを目の当たりにする中で、子どもにもこれから色々なことに挑戦し続け、自分が思い描くキャリアにまずは一歩踏み出す勇気をもってほしいと思うのであれば、今のうちからチャレンジできる経験をたくさん積めるようにサポートすること。
そして、そのトライをしたプロセス自体を肯定し、励ますところからスタートしようと思えた時間となった。また、子どものためにも自分自身も挑戦することを諦めず、友人のように実際に挑戦をしている人と濃い時間を一緒に過ごすことを通じて、何か自然と子どもが前向きなエネルギーを受け取ってもらえたらいいな〜。