・ドキュメンタリー映画の会場は!?
以前、本ブログでもご紹介したことがある日本一自由な小学校「きのくに子どもの村小学校」のドキュメンタリー映画が各地で上映されるというので、大阪市内で開催されていた上映会に夫と2歳の息子と3人で一緒に行ってきたお話!
自分が親になるまでは、「子どもにはとにかく色々な体験を通じて、のびのび楽しく過ごしてくれたらいいな〜」くらいにしか子どもの教育について考えていなかったのだ。
けれど、子どもが生まれてから色々と実態を調べていく中で、日本の公教育が今の時代の変化になかなか適応できていない実情を前に「このまま流されていくだけでは、子どもが日々挑戦したくなったり、自ら学びたくなるようなわくわく感ある日常を学校で過ごすことが困難なのでは!?」と疑問が湧くようになったのだ。
自分がこんなにも子どもの「学校選択」や「進路選択」に乳幼児期から向き合って、0歳から幼児教室に通ったり、1歳からインターナショナルスクールに子どもを通わせる選択をする姿を親になるまでは1ミリも想像していなかった。むしろ、自分とは最も遠い存在に感じていたくらいなのだ。
けれど、現状の結果というよりは実際に今の環境で学んで成長している息子の様子をみていると、今のところ子どもの個性ははっきりしていて、意思はかなり強めでイヤイヤ期は過酷だけど、今を日々楽しそうにしてくれているのでそれが何よりだな〜と感じている。
ただこれが小学校就学前までは今と同じ環境を提供できたとしても、小学校に入学するタイミングではまた色々と進路を考えさせられる。そんな中で小学校受験に代表される良い偏差値の学校を目指すような教育カリキュラムとは一線を画する、体験型学習中心の学校をリサーチしていたところ辿り着いた選択肢の1つが、「きのくに子どもの村小学校」だったのだ。
ただブログでご紹介した通りこちらの小学校は基本的には寮生活だったり、教育移住が必要な場所にあるということもあり小学校から選択する勇気が湧かないでいた⬇︎(ブログ参照)
けれども、実際の学校に通っている子どもの様子やその後にはとても興味があったので、映画を観に行くことにしたのだ!全国各地で「夢みる小学校」は自主上映されているようなのだが、今回訪れた上映元の主催は「正食協会:https://www.macrobiotic.gr.jp」というマクロビオティックを広める活動をされている企業だった!
幼児教室でのレッスンが終わった後に、たまたま歩いて行ける距離に会場があったのだ。上映会場の下にはこちらの企業が運営するオーガニックの食品を中心としたショップもあって、立ち寄ってみることに!!
子どものおやつ用に干し芋を試しに買ってみたのだが、自然の甘みがひきたってとてもおいしかった♫
他にもこちらの会場では、マクロビの料理教室も開催されていて、映画の上映後には玄米のおむすびとお味噌汁も配られて、子どもも美味しそうに食べているのが印象的だった。
最近は、子どもの食事に野菜をたくさん出しても家では食べてくれず苦労しているので、健康食を美味しそうに食べてくれる姿がとても新鮮だった。ご飯については毎朝・毎夕試行錯誤で、2歳6ヶ月の子どもの最近の朝ご飯はだいたいこんな感じ↓白米おにぎりと野菜の漬物、チーズと卵、ブロッコリー、ヨーグルトにフルーツといった感じ。塩分多めなんだろうな…と反省は尽きない。
本当はおやつもここにあるような手作りのほし芋だったり、豆乳や豆腐でできたおやつが良いのだろうけど、ほんと身体に良いものはお値段も良い!ということも多いので、自分のできる範囲で無理なく身体を気遣えたらな〜と思う今日この頃なのだ。
・どんなドキュメンタリーだったのか!
さて、そんなこんなで食に関する悩みが尽きないところで、笑、映画の時間になったので、ショップ横にある入口から3Fまで上がって会議室のような場所に案内をしてもらった。子連れもOKということで、プロジェクターと椅子が並べてある会場の一番後方には、フリースペースが用意されていた!子どもも椅子に長時間座ってじっとするには難しい年齢ということもあり、こうしたスペースで一緒に映画を観ることができるのはとてもありがたかった。
そして肝心の映画の中身なのだが、実際に子どもたちが取り組む料理やクラフトなどのプロジェクトのシーンを中心に、実際の子どもたちの学んでいる様子や、子どもへのインタビューも盛り込まれていた。
なお、子どもたちは「劇団きのくに」(表現)/「工務店」(木工、園芸)/「おもしろ料理店」(食の研究)/「ファーム」(農業)/「クラフト館」(木工、やきもの)の5つのプロジェクトから自分で入りたいものを選ぶことになっている。
たとえば、料理だったら今回のプロジェクトの期間は「麺」をテーマにしようとみんなで決める。こちらの学校には先生と呼ばれている人はいないため、大人と子どもが一緒になって意見を出し合いながら、何をするのかを決めていく様子が面白かった。
テーマが決まると作りたい麺料理などを考え、自分たちで1から取り組むことになる。その過程で、実際に麺作りをしているプロにアポ取りをして、実際にお店の中で作り方を学んだり、粉と水の分量比率から算数を学んだり、麺の歴史を学んだりと発展させていくプロセスがとても興味深った。
プロジェクト自体は小学校に学年がないのと同様に異年齢で構成されていて、学年関係なく協働して取り組む姿も垣間見られた!
また、発達障害の子どもについてもドキュメンタリーでは、印象深く取り上げられていて実際に発達障害と診断をされてここの小学校に入学した子どもが、「ここにいると、私は私のままでいられる」という感覚を覚え、自分のありのままを受け入れていく様子やインタビューなどが心に残った。
授業中に教室から出て、ソファや床で寝転がる子どももいたりしても、「それはそれで大丈夫だよ!」という常に受容の精神が色々なシーンで強調されているようにも見受けられた。
また、実際に「きのくに子どもの村」出身の子どもたちのその後の進路についても紹介されており、進学先の大学の先生が「きのくに子どもの村」出身の学生たちは他の学生と比べると「問い」を自ら立てることができるという点などを挙げて、非常に特長が際立っていることをお話されていた。
確かに「問い」を立てられるという能力自体が、自らの頭で考えることができる力を証明してくれるとも言えるかもしれないな〜とそれを聞いて感じた。
この学校が楽しすぎて「なんで卒業しなくちゃいけないの?」と思い、そのまま学校に就職する子もいたりと、学校は誰もが心から楽しむ場であるという価値観が浸透していることが伝わってきた。
このドキュメンタリー映画では、後半を通じてこうした教育が公立の小学校ではできないだろうか!?ということにも焦点が当てられていた。実際に校則がないことで有名な東京都世田谷区立桜丘中学校などを例に公教育でも本気で変えようと思ったら、その自由度が高いことなどにも触れ、「日本の教育、本気で変わらないと!」という強いメッセージが著名人らからも発せられていた。
・見終わったときに感じた本音はこちら!
ドキュメンタリーの最後のほうは子どもも動き出してしまったのであまり集中して観ることができなかったところもあったのだが、本音を言うならはじめに想像していたよりは心から惹き込まれなかったというのが正直な感想だったのだ。
以前、大学の後輩が子どもの小学校問題で悩んでいたので、「こういう学校もあるらしいよ!」と概要を伝えたときの反応が、「そういう学校に、発達障害の子とかきっと合うんでしょうね。子どもの学校でも、発達障害の子がクラスに何人かいたりするから、その子たちが生き生き活躍できる違う学校があったらいいのにっていつも思います」とまず感想があったことがえっさんは意外だったのだ。
というのも、えっさんが個人の特性を伸ばせる、自己肯定感が育まれる学校という前提で「きのくに子どもの村」を紹介したのに対してこういう「自由な学校は、現在の小学校に適応できない子がいく学校」という認識に変換されているんだな〜という気づきがあったからだ。
映画の中でも、何度も発達障害の問題が取り上げられて、「発達障害と診断された子が、うちに来ると自分を取り戻していく」という話や、「我々は誰もが発達障害であるとも言える」という話や、世界を変えるような変革者(有名どころでイーロンマスクやラリーペイジ)は発達障害だという話が、繰り返し出てくることにえっさんは違和感を覚えてしまったのだ。発達障害といっても、その全容は深く、なかなかひと括りにしにくい実態があるような気がしている。
もちろん、発達障害を抱えた子どもの学校生活の在り方は日本の社会課題と言えるし、建設的に議論される問題だと思う。ただ映画の中では、欲を言えば発達障害か否かは関係なく、実際に子どもが入学することを考えた場合に小学生の子どもたちが寮生活をしているということにもフォーカスをして欲しかったなと思ったのだ。
親元を離れての実際の生活上の問題、そうした課題とどう向き合い、家族から離れて暮らすことにどんな風に適応していくのか。家と学校とが学費や寮費、帰省交通費の金銭面も含めた現実的な問題にどう対処していくのかにも興味があったのだが、残念ながらそうした学校を1歩出た後の生活実態を伺い知ることができなったのだ。
また、進路も大学生活での話だけではなく、どちらかというと「きのくに子どもの村」での学校生活を通じて個の特性がどう具体的に感化されて、将来どんな大人になっていくのか。自由で楽しい学校生活を過ごしてきた中で、学校以外の社会の中での生活に弊害はないのか。それはキャリアに限らず、人生全体にどんな影響があったと言えるのか、そんなリアルな実態を知りたかったのだ。
この学校に在学をしている間、子どもたち誰もが幸せになれる学校であることは伝わってくるのだが、学校を出た後もその幸せを感じ続けられるのか、そう感じられ考えられる大人になっているのか。日本の教育の在り方は間違いなく変わっていくべきだけど、そのあり様について考えるとき1つの解がこの学校の在り方なのか。こうした疑問が残ったまま終わってしまった印象だった。
夫とも話をしたのだが、「学校自体は楽しそうではあるけど、社会に出たときにも同じ感覚で生きていくことができるのだろうか。う〜ん、まだよく分からないね。」という結論になってしまったのだった。
どんな子どもでも一人残らず学校で学ぶことに心から幸せを感じられ、夢を描ける希望ある学校生活をおくってほしい。けれど、まだまだ公教育が時代の変化に追いついていかない中で、将来にわたって子どもが希望をもち続けられる学校とはどんな学校だろうか。私たち親世代はその解を出すのに立ち止まることなく、今ある素晴らしい取り組みにも目を向け、子どもの現実的な問題とも向き合い、試行錯誤を繰り返すことを決して諦めない覚悟を問われているのかもしれないな〜。そんなことをこの映画から感じたのだった。
初コメ失礼します!私も、この映画を観た一人です。同じ感想をもつ方がいたんだなーと思って思わずコメントしました。
ブログ主さんが考える良い小学校で、何か候補があったら教えて欲しいです✨
はじめまして!初コメントをいただきありがとうございます!えっさんです。
お返事が遅くなりまして大変失礼しましたm(_ _)m
映画、ご覧になったんですね♪また、同じご感想をお持ちいただけたということでとても親近感を勝手ながら覚えております^^
お子さんの進路選択悩みますよね、私も同じくどうしたもんかな〜という感じです。
以前、ブログにもご紹介した内容で恐縮ですが、以下が面白いな〜と思っている学校の候補です!!
【一番いいな〜と思っている小学校がこちら⬇︎】
https://life-careerblog.com/nfinity-gakuin/
【他にも興味をもっている小学校がこちら⬇︎】
https://life-careerblog.com/manabinosato/
少しでも何かご参考になるようでしたらとても嬉しいです!!
今後とも気が向いたタイミングでブログにも遊びにいらしていただけたら嬉しいです♡
こんばんは。近くで上演されるので、どんなかな?と拝読しました。
私は、公立小学校教諭20年目で、自宅出産、マクロビ、シュタイナー、色々かじり、考え、二人の子どもを育ててきました。前職は、不登校児や児童相談所の子どもたちを相手にする指導員でした。
母は、幼稚園教諭で、保育園探しの時に、「普通が一番」とアドバイスを受けました。小学校選びの時も、校長から、同じアドバイスを受けました。子ども達は、今、中学生です。普通の園、学校で楽しみや喜びを見つけ、夢に向けて充実した毎日をおくってます。
公立小学校も、かなり色々な事を考え、地域の特色や、児童の実態をもとに、丁寧に教育計画を立ててます。今の時期から既に、来年度に向けて計画を立ててます。
えっさんが興味をもたれているところも拝見しますね。私は、まだ、子育て中ですが、どんな環境でも、人と仲良くでき、幸せや楽しみを見つけ、感謝して過ごするこができることが大切だと思いました。
>さんのすけさん
こんばんは!この度は丁寧なコメントをいただき誠にありがとうございます!
私自身も子どもの教育環境について今も試行錯誤で、さんのすけさんのように教育現場でインプットとアウトプットを繰り返されながら、子育てもされてきたご経験をお持ちの方からコメントをいただき大変光栄です。
コメントを拝読し、子どもたちが社会に出る時は、時代に関係なく色々な価値観や背景をもたれた人と一緒に働くことになるので、それを学校の場でまずは体感し、幸せや楽しみを見つけていける場所、それが学校あるということを再認識いたしました!
何が普通で、何が普通ではないのか。
定義が難しいところではありますが、目の前にいる子どもにとっての幸せや楽しみを感じられる環境を、私自身が思考停止せずに、子どもと一緒に探求するプロセスも本ブログにおいて大切にできたらと思っています!
面白い学びが公教育、私教育、国内外問わずたくさん出てきて、今を生きる親のひとりとして、この時代を生き抜くことにわくわくしているところです✨
ぜひ、また子どもにとっての面白い学びについて共有できましたらとても嬉しいです!
今後とも何卒宜しくお願いしますm(_ _)m