・赤ちゃんも喜ぶゴッホ展!?
芸術の秋到来!!ということで、先日ゴッホ展へ息子を連れて行ってきた♪( ´▽`)
息子にとっては生まれてはじめての秋であり、美術館!!やはり、家族で好きな「本物の絵画を!」と言うことで、ゴッホ展を最初に選んだ。
えっさんはこれまで国内のゴッホ展には開催される度に夫と一緒に足を運んだり、親友とゴッホが移住したフランスのアルルや、母親とオランダのアムステルダムにあるゴッホ美術館に行ったり、「ゴッホの生涯」を愛読したりとゴッホの絵と人生に魅了されいてる人たちの1人でもある。
えっさん宅の寝室には⬇︎のようにゴッホが描いた夜の風景や、寝室なんかをモチーフにした飾り絵をかけている。
そして、今年のゴッホ展の代表作は寝室にも飾っている左列上の「夜のプロヴァンスの田舎道」だったのだ。
えっさんも実物を観るのは今回がはじめてで大興奮!!今回の企画は1900年初頭からゴッホの作品を情熱をもって収集し、ゴッホを世に広めた立役者の1人である女性、ヘレーネ・クレラー=ミュラーのコレクションを中心とした展示となっている!
彼女は3男1女の子をもつ母親として子宝に恵まれた。また父親が会社を設立し成功し、有能な夫と結婚して更に財を成してもなお「何か足りない」という思いを常に抱えており葛藤多き人生をおくっているので、また別途ブログでも「ママのキャリア」としてご紹介させてもらった⬇︎
今回の展示会は、上野にある「東京都美術館」⬇︎コロナが流行する前の2020年1月に「上野の森美術館」で「糸杉」を代表作としたゴッホ展以来の美術館。その時と変わらず日時指定の整理券予約だったが、その時よりもお客さんの人数は制限されている印象。しかし、緊急事態明けということもあり上野公園自体はとても混み合っていた。
「東京都美術館」は子連れにも優しく、ベビーカーでの鑑賞もOK。また、展示室内にも各スペースにベビーカー置き場がある。ベビーカーの無料貸し出しや、個室の授乳室も完備されているし、ミルク用のお湯もレストランやカフェで提供してくれるので設備面も安心できる。
また、鑑賞中のエレベーターでの階の移動もスムーズだった。美術館の中は作品展示上の都合でうす暗いこともあり息子がぐずり出したのだが、すぐにスタッフの方が、明るい場所や水分がとれる休憩スペースを案内してくれた。
そして、料金も子どもは高校生以下無料と子どもが美術を鑑賞するには、今もこれから先もぴったりの美術館だ。
肝心の息子はと言うと、最初は頑張って起きてきょとん顔をして鑑賞していたが、館内が暗い場所に移動するとぐずぐずし、途中で力尽きて寝てしまった。が、しかし奇跡的に最後の最後にぱっちりと目覚め今回の代表作「夜のプロヴァンスの田舎道」や「種まく人」、ゴッホ美術館から「黄色い家」をはじめとした4点の絵画も前向きの抱っこをしながら、時間をかけて一緒に観ることが出来た!!
じっと真顔で眺めていたので表情から感情は読み取れないが、えっさんには感じることが出来ないものをきっと感じていたのではないだろうか( ´ ▽ ` )
・ゴッホのような人生を歩んで欲しい親はいない!?
ゴッホの人生について語ると本当に何時間でもひとり語りをしまいそうな勢いだが、笑、今回は端的に!
ゴッホは27歳で絵を描きはじめて、絵画として過ごしたのは37歳で亡くなるまでの10年間だが、小さい頃から周りには溶け込まず変わった個性をもった子どもで、当時から絵を描くことが好きだったのだ。
しかし、大人になってからのゴッホは職を転々とし、説教師として臨時の職についた時は自らも貧しい者として生きようと身を捨てたような生活を送り、親の反対を押し切って子どもがいて更に妊娠中の娼婦と同棲生活をはじめるなど極端な考え方と尋常ではない行動力を備えていた。
このエピソードのどれをとっても、親からすると大人になっても心配が尽きない息子だったことは想像に難くない。
そして、ゴッホ本人は27歳で画家になると決意した後は、最愛の弟テオの支援を受けながら無我夢中で、それこそ命を削るようにして絵を描き続けた【油彩だけで860点、その他の素描、スケッチ、水彩などが1,300点と2,000点を超える作品が今なお残されている】。
しかし、ゴッホは生きている間は全くの無名で、周りからも絵は評価されずに友人や、周囲の人との関係にも衝突と困難を抱えていた。そして、精神疾患と思われる病気にも悩まされ続けた。最期は自分の絵がこんなにも多くの人たちの心に届き、多大な影響を与えていることを知らないまま突然に亡くなった(自殺とされている)わけだ。
もし、自分の子どもがゴッホのように時代が変わろうとも変わらずに人の心の琴線に触れるような仕事を残すような偉人になるのだったら、ゴッホと同じ人生を子どもがおくってもいいと考える親はどのくらいいるだろうか?
ゴッホと同じ人生は、敢えて言葉にするまでもなくハードな人生となるわけだ。
しかし、視点を変えてみると自分と自分の仕事を全身全霊で信じ、勇気づけ、どんな時も見捨てずに精神的にも経済的にも支え続けてくれた家族がいたこと。自然を家族のように深いところで愛することができる人であったこと。自分の信念と情熱を注いで向き合えるものがあり、並外れた集中力をもって仕事に取り組み続けたこと。自分の想いに真っ直ぐに生きた人生であったことも私たちは忘れてはならないかもしれない。
・ゴッホの生き方と子どものライフ
ゴッホにはビジョンがあった。ゴッホはアルルで共同生活をした友人でもあるポール・ゴーギャン宛の手紙で「悲しみに傷ついた心を癒す芸術!」と記している。
ゴッホは、絵を描く中で親との関係、恋愛関係、友人との関係、社会との関係の中で躓き、また病気を抱えながら絵を描かなくてはならず、様々な心の葛藤と傷を抱えていた。
だからこそ、ゴッホが「悲しみ」を絵に表現するときには言葉では言い表せないほどの説得力を感じる。その悲しみの深さや奥行きまでが絵を観ている私たちにも伝わってくるのだろう。
けれど、それは「悲しみ」だけには終わらずに、その感情の中にある「愛情」の深さやその悲しみが回復していくような心を癒してくれる自然の力を絵から感じることができる。
まさにゴッホのビジョンがきちんと今を生きる私たちにも届いているということをえっさんは今回のゴッホ展を通じても感じることができた。
先ほどゴッホと同じ人生を子どもに歩んでもらうにはハード過ぎる話をしたが、ゴッホと同じように子どもには自分の人生、生き方にビジョンをもてる人になって欲しいと思う親は少なくないかもしれない。
子どもの将来を想像すると仕事が変わってもいいと思うし、大切な人たちとの関係性が変わる経験もすることだってあるだろうと思う。生きていれば自分の考え方はもちろん、色々なことが変化をするものだ。それは自分にとって良い変化も、悪い変化もあるだろう。
けれど、どんなときも自分の中だけでは譲らず、変わらない人生のビジョンを描くことができれば、それは仕事を通じてでもそうだし、人としての生き方としてもそうだし、何かしら相手に伝わるものだと思うのだ。
子どもたちが自由に人生のビジョンを描ける未来を遺すことの大切さ。そんなことをゴッホは自らの作品を通じて、自ら描いたビジョンを体現することで伝えてくれているのかもしれない。
子どもには心が豊かになるような芸術にたくさん触れて欲しい。また、もしも子どもが生きている中で悲しみを感じた時には(赤ちゃんは毎日何がそんな悲しいのかというくらい泣いているが。笑)、ゴッホが絵を通じて伝えたかった悲しみに傷ついた心が癒えるような芸術にも触れて欲しい。きっとビジョンを描くということがどういうことなのか、言葉以上に伝わってくるのではないだろうか。